ドル円戻り高値更新、年初来高値が視界内(11/12夕)

週明け12日の東京市場は、ドルが小じっかり。直近のドル戻り高値114.10円前後では一時上げ渋る感も見られたが底堅く、ドルは「早朝安・大引け高」の展開をたどっていた。

ドル円戻り高値更新、年初来高値が視界内(11/12夕)

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週明け12日の東京市場は、ドルが小じっかり。直近のドル戻り高値114.10円前後では一時上げ渋る感も見られたが底堅く、ドルは「早朝安・大引け高」の展開をたどっていた。

前週末に、「米中が閣僚級の外交・安保対話を実施」、「米露首脳が短時間会談するも中距離核戦力(INF)全廃条約は議論せず」−−といった報道が観測されたが、大勢に影響なし。ドル/円は113.80円前後と、前週末のNYクローズとほぼ同レベルで寄り付いた。
しかし、その寄り付きレベルを日中安値にドルはじり高に推移すると、夕方にかけては114円台へ。一時的にはやや上げ渋りの様相を呈したものの、上抜けると直近の戻り高値を更新し114.20-25円まで続伸している。16時時点では日中のドル最高値圏、114円台で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
週末に独メディアが「英のEU離脱省高官、近い将来の交渉合意を楽観と発言」と報じるなか、仏メディアから「欧州委員長、英のEU離脱協議は合意に向けゆっくりと進展中と指摘」との報道も観測されている。そのほか、英紙インディペンデントが「メイ首相が12日の閣議の予定を取りやめた」、英紙サンデー・タイムズは「英閣僚4人が辞任へ、メイ首相の税関案をEUは拒否」と報じ、物議を醸していたようだ。
また、それとは別に、12-13日に来日するペンス米副大統領から「安倍首相と貿易について話すだろう」、対して安倍首相による「世界経済動向など引き続き目配りすべき点ある」との発言が聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日の東京時間に114.20円台まで値を上げ、いよいよ年初来高値114.55円を視界内に捉えた値動きとなっている。直近安値111.38円を記録した10月26日から見た場合、約2週間で3円の上昇に過ぎず、まだまだ上昇余地は大きそう。リスクはドル高方向に高く、114.55円を超えた場合には、一気に115円に迫る展開も否定出来ない。ただ、前述した2週間のあいだ、調整らしい動きは一度も観測されていないため、115円トライを前に一時的な調整が先行する可能性を指摘する声も少なくないようだ。
材料面で見た場合、中間選挙を受けたトランプ氏の政権運営方法が引き続き警戒されている。その一環として注視されているのは、12-13日に来日するペンス米副大統領の去就で、なかでも明日実施される見込みである安倍首相との会談への関心が高い。先で指摘したように「安倍首相と貿易について話すだろう」とのコメントが聞かれていることもあり、実際の会談前後にはその内容をめぐって相場が一時的に乱高下する可能性もある。

テクニカルに見た場合、いよいよ114円台へと「しっかり」乗せてきた感があり、次のターゲットは年初来高値の114.55円となる。ドルの続伸に要注意。そのレベルを超えれば、次の目標値は115円レベルとなり、さらなるドル高も期待出来そうだ。
そうしたなか、敢えてネガティブな話をすれば、『今週の週報』でも指摘した「日足と移動平均200日線の乖離率」がそろそろ危険水域に達してきていること。また、日米貿易問題が取り沙汰されていることもあり、トランプ米大統領から「ドル高けん制発言」が飛び出す可能性にも注意を払っておきたい。

一方、材料的に見た場合、本日は「ベテランズデー」にあたることで米債市場が休場となるためか、これといった米経済指標の発表なども見当たらず新規の材料難。デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されているものの、基本的にはNY為替市場も開店休業、それほど大きな値動きは期待できないだろう。
ただ、英国ファクターのほか、13日に予算案修正の期限切れを迎えるイタリア情勢など、欧州関連のニュースには注意を払いたいところだ。

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ドル円日足

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.60-114.60円。ドル高・円安方向は、まず東京高値である114.20-25円の攻防に抵抗。抜ければ年初来高値の114.55円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、113.80円前後に弱いサポートが位置している。ただ、割り込んでも、113.50-60円はなかなか強いサポート。ドルが大崩れする展開は予想しにくいだろう。

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