米ドル/円(USD/JPY)の為替チャート・予想・見通し

今週の米ドル(USD)の見通し

米連銀当局者講演で流れを見定める

2015年12月の利上げ再開。大幅に先送りされた後の2016年12月利上げ。2017年に3回の利上げ予想が示されていた中での2017年3月利上げ。これらは皆、ドル円としては事前の上昇により材料消化となり、利上げ決定後には下落=円高ドル安へと進むきっかけとなってきた。 今回の追加利上げも、3月利上げが濃厚となった段階から予想され、4月以降はほぼ確実とみられてきたため、材料的には織り込み済としてこれまでのようにドル安円高の再開となるきっかけになっても不思議ではなかった。しかし、14日夜の先走った市場反応がアダとなって、これまでの反応の仕方とは異なる状況となった。また、冷静に今回のFOMC声明を踏まえれば、FOMCは市場予想よりもしっかりと利上げペースを守っており、2016年に4回やるといって結局は年末の1回しかできなかった時とは違うという印象を与えた。 一番の違いは株高であり、ダウ等主要3指数は史上最高値を更新しており、現在でも最高値近辺にある。英国のブレクジット、フランス大統領選挙への波乱リスク、朝鮮半島有事リスク、ロシアゲート事件によるトランプ大統領弾劾リスク等が警戒されてきたものの、株式市場を見る限り、リスク警戒感よりも楽観主義は優勢であり、米連銀も世界連鎖株安の引き金になりたくないという懸念に悩まされずにいる。 そうしたことを改めて考えれば、株高、債券から株へのマネーフローによる米長期債安・長期金利上昇、結果としてのドル高という流れが出来ても不思議ではない。少なくとも、15日未明から16日夜にかけての円安ドル高は、そうした市場心理を反映したものと考える。この市場心理が正しいのかどうか、6月19日のNY連銀総裁、20日のフィッシャー副議長等の連銀当局者による講演、発言が続く中で検証されて行くと思われる。 今年2月時点では、3月の利上げ確率は低いと市場は見ていた。それが2月末のNY連銀総裁から相次いだ当局者講演、発言で一挙に利上げムードへと変わった。6月19日からの一連の当局者講演も、市場のトレンド継続か否かを決めてゆく大きな手掛かりになるのではないかと思われる。(6/19)

USD アメリカドル FX

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米ドル(USD)相場に関する経済カレンダー

日本円(JPY)相場に関する経済カレンダー

現在の米ドル相場の焦点

・トランプ政権の「ロシアゲート」の広がりと弾劾問題 ◎↓
・北朝鮮、シリア等の地政学リスク○↓
・米景気の先行き見通しと金融政策 ◎
・ドル高の人為的是正の有無 ◎↓
・アメリカ第一主義、保護貿易政策への転換の経済への影響波及
・減税、インフラ投資等の財政政策による経常赤字の拡大

現在の日本円相場の焦点

・北朝鮮をめぐる地政学リスク ○
・日米金利差の拡大 

米ドルの為替レート推移

2005年末 2010年末 2015年末 9/30  
為替レート(対円) 117.75 81.12 120.22 101.35

日本円の為替レート推移

2005年末 2010年末 2015年末 9/30  
為替レート(対円) 117.75 81.12 120.22 101.35

アメリカの経済指標の推移

2005年末 2010年末 2015年末   米ドルへの
影響度 方向性
政策金利 4.255 0.25% 0.50% 0.75%  
市場金利(銀行間金利3ヶ月) 4.54% 0.30% 0.61% 0.96%(12/15)  
市場金利(10年)カレンシースワップ 4.94% 3.38% 2.19% 2.49%(12/15)  
株価指数 10,718 11,578 17,425 19,792(12/14)  
実質GDP 3.3% 2.5% 2.6% 3.2% 3Q  
消費者物価指数 3.685 1.69% 0.70% 1.60%    OCT  
失業率 5.00% 9.50% 4.90% 4.60%  NOV    
経常収支 -5.57% -3.00% -2.60% -2.70% 2Q    

U$高/U$安

日本の経済指標の推移

2005年末 2010年末 2015年末   日本円への
影響度 方向性
政策金利 0.15% 0-0.10% 0-0.10% -0.1-0.1  
市場金利(3ヶ月)為替先物より算出(オファー) 0.10% 0.34% 0.18% 0.01%(APR17)  
市場金利(10年)カレンシースワップ 1.61% 1.17% 0.53% 0.23%(APR17)  
株価指数 16,111 10,229 19,034 19,219(APR17)  
実質GDP 1.90% 3.50% 0.80% 1.20%(DEC16)  
消費者物価指数 -0.10% 0.00% 0.20% 0.30%(FEB17)  
失業率 4.40% 4.90% 3.30% 2.80%(FEB17)    
経常収支 3.72% 0.54% 3.29% 3.80%(DEC16)  

円安/円高

アメリカの長期経済予測

3ヶ月後 半年後 2017年 2018年   米ドルへの
影響度 方向性
政策金利予想 1.00% 1.25% 1.375% 2.125%  
実質GDP予想 2.20% 2.40% 2.10% 1.90%    
消費者物価指数予想 2.50% 2.40% 2.40% 2.40%  

U$高/U$安

日本の長期経済予測

3ヶ月後 半年後 2017年 2018年   日本円への
影響度 方向性
先物による政策金利予想 -0.1% -0.1% -0.1% -0.1%  
実質GDP予想 1.10% 1.20% 1.10% 1.00%  
消費者物価指数予想 0.50% 0.70% 0.70% 1.00%    

円安/円高

アメリカの政治・社会情勢

日本の政治・社会情勢

アメリカの経済情勢

2015年12月のFOMCでFRBはゼロ金利政策を解除、政策金利の0.25%引き上げを決めた。これは米国がリーマンショック以降の景気後退局面をようやく脱しつつあることの証左といえるだろう。米国では雇用・所得の改善が安定した個人消費や住宅投資を下支えし、それがさらに生産を拡大させる好循環に入りつつあり、先進国中真っ先に世界同時不況を脱したように見える。 2016年は中国を初めとする新興国経済の不安定化から景気が足踏み、当初予定されていたほどの金利の引き上げは実施されなかったが、11月に予想外のトランプ政権誕生が決まり、米企業の海外収益への課税、国内減税、保護貿易主義、インフラ投資などそれまで想定していなかった経済の動きが今後生じることとなり、ドルや株式市場にに資金が還流しつつある。 中国の景気後退もどうにか踏みとどまる兆しを見せ、2016年12月にFRBは「景気に対する信任の証し」に再度金利を引き上げた。その後2017年に入ってからは、トランプ政権の財政刺激策の遅れや、「ロシアゲート」に象徴される政治の先行き不安から「トランプユーフォリア」は熱を下げているが、引き続き株式市場は活況、2017年も3回の利上げを見込んでいる。

日本の経済情勢

政府・日銀による金融緩和が続く中、アベノミクスに一定の効果が見られており経済は上向き加減。ただし、引き続き原油安などの要因でぐインフレ率は低く、日銀は2%のインフレ目標の期限を数度にわたって後ろ倒しにするなど、回復力は当初見込みより弱い。そうした中で日銀は2016年2月16日より金融機関の日銀への当座預金の一部に史上初のマイナス金利を適用することを決めたが、イールドカーブ全体が低下、長期金利低下の金融機関等への弊害が大きく11月には短期長期両方の金利を誘導するイールドカーブコントロールに方針を変更。

米ドル通貨の概況・特徴

基軸通貨の地位が危うくなったと言われて久しいが、取って代わる通貨は今のところなく、依然として世界の為替市場の取引の87%が米ドルとの決済である(2013年国際決済銀行統計)。また、その比率は近年むしろ高まっている。(ユーロ33%、円23%)
 一方で一時「有事のドル買い」といわれた「危険避難通貨」としての役割は近年薄れているように見える。現況では世界の主要国に先んじて景気の回復局面に入りつつあると目されていることから中期的にドルが買われている。

日本円通貨の概況・特徴

比較的経済が安定していて、戦争等の地政学的リスクからも遠い日本の通貨円は、このところスイスフラン等と同じ「危険避難通貨」として取り扱われる傾向があり、経済危機、戦争等のリスクが世界的に発生すると「有事の円買い」が発動されることが多い。そのためリーマンショック後の世界の経済危機に際してはゼロ金利の円に買いが集まり2011年から2012年にかけては80円を割る局面もあった。しかし、安部政権発足とともに黒田日銀総裁の追加金融緩和策とアベノミクスの相乗効果と、世界的な危機の後退から2013年以降円売りが進んだ。
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