東京市場のドルは150円台を回復、海外時間ではハト派な要人発言でドル売りを優勢
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株が大幅高となったことでリスク先行のドル買いが強まり150円台を回復した。
昨晩の海外時間では、米国の11月ISM製造業景況指数や10月建設支出、11月製造業PMI改定値が軒並み予想を上回る強い結果を受けた長期金利上昇に伴いドル買いが優勢となったが、日銀の早期追加利上げ観測を受けた円買い、クロス円絡みの円買いが強まり、下落に転じた。連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が12月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ支持に傾斜しているとの発言でドル売りが強まり、149円08銭まで下落した。
東京時間では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の来年度からの運用計画で、実質的な運用利回りの目標を現状の1.7%から1.9%に引き上げる案を厚生労働省が示したことが材料視され、株式市場で日経平均が39000円台を回復するなど大幅高となった。日本株上昇でリスク先行のドル買いも強まり150円台を回復した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円55銭
高値:150円24銭
安値:149円50銭
終値:150円03銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円99銭
高値:157円53銭
安値:156円97銭
終値:157円40銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 96円82銭
高値: 97円19銭
安値: 96円77銭
終値: 97円06銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:189円26銭
高値:189円94銭
安値:189円20銭
終値:189円75銭
日経平均(日本時間9時―15時30分)
始値:38748円65銭
高値:39427円37銭
安値:38746円05銭
終値:39248円86銭(前日比+735円84銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、チポローネECB理事が講演
24時00分、米、10月JOLTS求人件数、前回:744.3万人、市場予想:748.0万人
24時30分、欧、パネッタ伊中銀総裁が講演
26時35分、米、クーグラーFRB理事が講演
27時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
29時45分、米、グールズビー・シカゴ連銀が挨拶
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、10月JOLTS求人件数発表、そして、その内容を受けたFOMC関係者による発言に注目が集まりそうだ。JOLTS求人件数は、ADP雇用報告や雇用統計と比べるとデータが遅いことから、さほど重要視しなくてもいい気はするが、市場の関心は高い。
昨晩はウォラーFRB理事の発言でドル売りが強まったことから、今晩のクーグラーFRB理事とグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言は注目されよう。とりわけ、グールズビー・シカゴ連銀総裁はハト派で、11月末に「金融政策が中立的立場に近づくにつれ当局が利下げペースを鈍化させるのは完全に理にかなう」との認識を示したことで、昨晩のような「ハト派でドル売り」の展開に警戒したい。
日足の一目均衡表では、雲上限手前で下げ止まっている。100日移動平均線が雲上限水準を下回ったことから、雲上限を意識するか、100日線を意識するか微妙なところだ。昨晩の安値149円08銭を割り込むと一段安を警戒したい。
今晩の海外時間は、米経済指標及び要人発言で上下に振れやすいと考えるが、「ハト派でドル売り」の展開を想定する。上値メドは150円50銭、下値メドは148円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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