前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 103.93 104.05 101.20 102.70
ユーロ円 115.97 116.11 113.81 115.35
ユーロドル 1.1158 1.1327 1.1139 1.1232
日経平均 17131.52 17156.36 16836.65 16965.76
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
9月5日(月)
東京市場では、黒田日銀総裁が緩和政策の効果について遅れが出ているとの発言をきっかけに円買いの動きに。他に目立った材料も無くNY市場が休場となることもあって欧州市場序盤まで円がじり高の展開となり、朝方から1円ほど円高の103.15レベルの安値を付けました。その後は103円台前半で小動きもみあい。ユーロドルも東京市場ではドル売りの動きから1.1182レベルまで水準を上げた後に、1.1139まで下げましたが、終日狭い値幅の中で方向感のはっきりしない展開が続きました。
9月6日(火)
東京市場では、浜田参与が「FOMC前の日銀追加緩和は控えるべき」と発言したことをきっかけに円高の動きが先行しました。その後いったん買い戻しも出たもののドルの戻りは弱く、じり安の流れでNY市場入り。ISM非製造業景況指数が6年半ぶりの弱い数字となり、前回のISM製造業景況指数とともに弱い数字であったことから利上げ思惑が大きく後退し、ドル売りが加速しました。ドル円は102円割れ、ユーロドルも1.12台半ばまでドル売りが進みましたが、引け後もドル売りは収まらず、シドニー市場ではドル円はストップオーダーを巻き込みながら、一時101.24レベルまで水準を切り下げる動きを見せました。
9月7日(水)
東京市場では、20日発表予定の日銀による総括的検証について、意見が分かれているとのニュースに反応し円高が進みました。仲値過ぎには一時101.21レベルまで水準を下げましたが、その後は売買が交錯し目立った材料も無い中で買い戻しが進み、NY市場の後場には101円台後半へと値を戻しました。
9月8日(木)
ドル円はNY市場までまったく動意無しの展開となりましたが、原油在庫が大幅減となったことから原油価格が急騰、それにともなってドル買いの動きとなりドル円は102円台半ばへと上昇し、高値圏での引けとなりました。いっぽうユーロドルは、注目のECB理事会を前にじり高の動きとなっていたところに、ドラギ総裁がQE延長の議論はしなかったと発言したことでユーロが上昇、一時1.1327レベルの高値をつけました。しかし、NY市場でのドル買いの動きに反落し、1.12台半ばへと東京市場の水準に戻しての引けとなりました。
9月9日(金)
東京市場では北朝鮮の核実験のニュースから株式市場が下落し、為替市場は円買いで反応一時101.97レベルの安値を付けました。しかし、その後は株式、為替市場とも落ち着きを取り戻し下げる前の水準へと戻し、20日の日銀会合ではマイナス金利の効果があるとの総括が出るとの話から円安方向へと動き始め、NY市場に入り複数のFRB関係者が利上げに対して肯定的な発言を行ったことからドルが一段高、103.06レベルの高値をつけました。しかし、米金利上昇とともに米国株が値を下げ、NY市場昼前から急落の様相を示し、引けにかけては前日比400ドル近い下げとなったことからドル円も102円台後半へと押しての週末クローズとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
9月12日(月)
**:** シンガポール市場休場
21:05 (アトランタ連銀総裁講演)
26:00 (ミネアポリス連銀総裁講演)
26:15 ブレイナード理事講演
9月13日(火)
10:30 豪州8月NAB企業信頼感
11:00 中国8月小売売上高、鉱工業生産
15:00 ドイツ8月CPI確報値
17:00 南ア4〜6月期経常収支
17:30 英国8月CPI、PPI
18:00 ドイツ9月ZEW景気期待指数
18:00 ユーロ圏9月ZEW景気期待指数
18:00 ドラギECB総裁挨拶
9月14日(水)
07:45 NZ4〜6月期経常収支
16:00 ユンケル欧州委員長講演
17:30 英国8月失業率
18:00 ユーロ圏7月鉱工業生産
20:00 南ア7月小売売上高
21:30 米国8月輸入物価指数
23:30 米国週間原油在庫発表
9月15日(木)
**:** 中国市場休場
07:30 NZ8月企業景況感
10:30 豪州8月失業率
16:30 スイス中銀政策金利発表
17:30 英国8月小売売上高
18:00 ユーロ圏8月CPI確報値
18:00 ユーロ圏7月貿易収支
20:00 英中銀MPC
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国9月NY連銀製造業景況指数
21:30 米国9月フィラデルフィア連銀製造業指数
21:30 米国8月小売売上高
21:30 米国8月PPI
22:15 米国8月鉱工業生産、設備稼働率
23:00 米国7月企業在庫
9月16日(金)
**:** 香港、中国市場休場
21:30 米国8月CPI
23:00 米国9月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
今週の週間見通し
週末FRB関係者のタカ派発言で米国株大幅安
先週は週前半に9月利上げの思惑が急速に萎んだことに加え、9月日銀会合に向けて消極的な発言が続いたことも重なり円買いが先行しました。しかし金曜のNY市場ではFOMCにおいて投票権のあるFRB関係者を中心に利上げ思惑が再び首をもたげ、ドル買いの動きとなりましたが、ハト派のタルーロ理事*までが年内利上げを排除しなかったことから株式市場が大幅安となり、NYダウは400ドル違い下げでの週末クローズとなりました。
*投票権のあるFOMCメンバーの立場については、8月29日の週報を参照
本日はブラックアウト期間(FOMC直前1週間、関係者は発言できない)を前に、ブレイナード理事と投票権こそ無いものの複数の地区連銀総裁の講演が予定されています。特にブレイナード理事は投票権を持つメンバーでは最後のハト派となりますので、タルーロ理事と同様に年内利上げを排除しないという事であれば、FRBとしては9〜12月に昨年12月以来の利上げを行うという路線がほぼ固まります。
米国金融政策めぐり思惑が渦巻く一週間に
9月20日の利上げの可能性はまだまだ低いものの(FF金利先物の利上げ織り込み度は24%に留まっている)、日銀の総括でマイナス金利を含めこれまでの緩和策についてどのような話が出て来るのか、今週は思惑が渦巻く一週間となりそうです。
先週はFX羅針盤のコラムで9月の日柄についても書きましたが、21日までは上下に振れやすい期間となっていて、更に22日前後(誤差1日程度)はドル売りに繋がりやすい日柄であることを考えると、日米双方の金融政策後にドル売りに繋がる流れには警戒したいと考えています。
サポート101.00レベル、レジスタンス103.70 レベル
また、金曜のNYダウは週末前のプログラム売買による売りが下げを加速し、ストップがストップを呼ぶ展開になったというところであると思いますが、これまで高値圏から水準を下げてきていることや時期的に秋は米国株が下げることが多いということも考えると、リスクオフという視点も久しぶりに注意が必要であると考えられます。
今週は来週のイベントを前にして方向感が出にくい週ではありますが、テクニカルにも引き続き長期下降チャンネルの上限における取引となっていて、明確に抜けるまではドル買いには回りにくい地合いにあると考えられます。今週のレンジとしては、101.00レベルをサポートに、103.70 レベルをレジスタンスと、やや下方向に余裕のある流れとしておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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