3. NY原油急落　（2017年3月9日）

NY原油急落　（2017年3月9日）

最近FX以外のテーマを扱っていなかったので、久しぶりにNY原油（WTI原油先物）についてです。

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NY原油急落　（2017年3月9日）

NY原油急落

最近FX以外のテーマを扱っていなかったので、久しぶりにNY原油（WTI原油先物）についてです。

昨日NY市場ではEIAによる週間原油在庫の発表で、前週の＋150.1万バレルから＋820.9万バレルと大幅に在庫が積み増しされました。発表（日本時間24:30）直後こそ52ドル台前半から半ばと影響を見せなかったのですが、タイムラグを置いて値を下げ引けにかけては50.05レベルと大台割れ目前までの急落相場となりました。NY市場の昼前には52.87ドルまで水準を切り上げていましたので、その水準から考えると安値まで2.82ドル、5％を超える大きな下げを演じることとなったわけです。

期近つなぎの日足チャート（紫の四角は1ヶ月単位）をご覧ください。

　　　　　　　　　　　　　　原油日足

　　　　　　　　　　　　　　原油日足

ラインマーカーで示した位置が昨日の足ですが、最近には稀に見る大陰線となっていることがわかります。

昨年11月30日のOPEC総会における8年ぶりの減産合意以降は上昇へと転じ12月以降一昨日までは高値圏でのもみあいを続けていました。しかし昨日の下げで、2月安値、1月安値を次々と割り込み12月安値（48.98ドル）を伺う展開となりました。テクニカルにはOPEC減産合意前の11月安値42.20ドルから1月高値55.24ドルまでの上げに対して、38.2％押しの50.26でかろうじて止まった動きではありますが、ちょうどこの水準には均衡表の雲の下限（50.03）もあり、下げ止まらない場合には半値押しの水準である48.72ドルが視野に入ってきます。

減産合意の日のアジア時間の価格は、夜間取引も含めて始値が45.24ドル、終値が48.98ドルでした。仮に半値押しまで水準を下げるとこの11月30日の水準を見ることになりますが、テクニカルにはチャートの形も悪く来週以降の原油在庫の数字如何によっては続落相場となる可能性も決して低くはありません。

最近はFOMCでの利上げや米国の強い雇用等が材料となっていましたが、これらは着実に織り込み済みとなってきているため、今後は株式だけでなく商品市場から来るリスクオフにも警戒しておく必要がありそうです。

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