ドル円 Xマスモード強まるなか、英国情勢要注意(12/21夕)

週明け21日の東京市場は、レンジ取引。103円台前半を中心とした30ポイント弱のレンジ内で一進一退、方向性は乏しかった。

ドル円 Xマスモード強まるなか、英国情勢要注意(12/21夕)

Xマスモード強まるなか、英国情勢要注意

〇ドル円、103.45-50で寄り付いたのちややドル買い優勢も、上値も限られ狭いレンジ内の一進一退に終始
〇英国のコロナ変異種の感染拡大は自国だけでなく欧州全域に警戒感が広がり各国で厳戒態勢に
〇ビットコイン再び史上最高値を更新、為替市場もポンドが変動するなど一部の市場は予断を許さない状況
〇短期的にドルは底堅く推移している感があり、しばらくは103円台を中心とした値動きか
〇本日発表される11月のシカゴ連銀全米活動指数や米財務省による20年債の入札などに注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.00-103.80

<< 東京市場の動き >>

週明け21日の東京市場は、レンジ取引。103円台前半を中心とした30ポイント弱のレンジ内で一進一退、方向性は乏しかった。

先週末には、「英国でコロナ変異種が拡大し、ロンドンが3度目の再封鎖された」と発表がなされたうえ、米紙などは「米与野党指導部、9000億ドル規模に上る追加のコロナ経済対策で大筋合意に達した」との報道していた。なお、それらとは別に暗号資産(仮想通貨)ビットコインの騰勢止まらず、ついには24000ドル台へ。
そうした状況を踏まえドル/円は、103.45-50円で寄り付いたのち、当初はややドル買い優勢。しかし上値も限られると、その後は狭いレンジ内での一進一退に終始している。103.25-55円といった取引で方向性は乏しかった。16時現在では103.45円挟みで推移、欧米時間を迎えている。
また、前述した「英ロンドンの都市封鎖」などを嫌気した動きからポンドは終始冴えない。対円やドルで上方向にギャップを空けて寄り付いたのち、さらに続落をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米経済対策法案の行方」について。
前者は、英国の「コロナ変異種の感染拡大」は自国だけにとどまらず、欧州全域に警戒感が広がると各国とも厳戒態勢に。実際、フランスとドイツが、英国からの入国の停止や規制を早々に決めたほかオランダなども追随する構えを見せている。そのほかスイスやスウェーデン、オーストリーなどが、クリスマス前という異例のタイミングで外出禁止措置や飲食店閉鎖などの規制強化を発表していた。なお、先の英国情勢について、EUは21日に加盟国大使会合を招集、緊急対応を協議する予定だという。

対して後者は、紆余曲折の末、議会与野党の指導部がようやく「9000億ドル規模に上る追加の新型コロナウイルス経済対策で大筋合意に達した」ことが明らかとなった。さらに、一部報道では「上下両院で20日にも法案を採決する方向」などとされていたが、こちらは一日順延され、「21日採決」になったもよう。影響は一時的だったが、本日の東京市場でドルが当初買い進められた背景のひとつになっていたもよう。

<< 欧米市場の見通し >>

クリスマスをにらんだ最後の徒花か、暗号資産ビットコインが再び史上最高値を更新したほか、為替市場でもポンドが荒っぽい変動をたどるなど、一部の金融市場は依然アクティブで引き続き予断を許さない。ただ、ドル/円に関しては基本的に小動きにとどまるとの見方が有力だ。米株の動きなどを注視しつつも、103円台を中心としたレンジ取引に終始する公算が高いのかもしれない。

材料的にも、米国ファクターとしては先で指摘した「新型コロナウイルス経済対策の採決」が要注意だが、すでに大筋合意していることから大きなサプライズは予想しにくいだろう。それよりむしろ、幾つかの意味で英国を含めた欧州ファクターに注意を払いたい。「英国のコロナ変異種感染拡大」ならびに、それを受けた「海外との往来や貿易問題、貨物輸送」などの動静のほか、「英EU通商交渉の行方」も気掛かりだ。ポンド主導の展開がいましばらく続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は11月安値103.18円も下回り、17日には一時102.88円を示現している。流れそのものは引き続きドル安方向にバイアスがかかるものの、短期的にドルはむしろ底堅く推移している感を否めない。油断は禁物だが、クリスマスモードで取引が徐々に薄くなることを考え合わせると、しばらくは103円台を中心とした値動きか。102円台突入など、ドル安の再燃は来週に持ち越しになるといった見方も少なくないようだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月のシカゴ連銀全米活動指数が発表されるほか、米財務省による20年債の入札も実施される見込みだ。そのほか、米国における「新型コロナウイルス経済対策の採決」、「EU加盟国大使による緊急対応を協議」などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.00-103.80円。短期的には103.50-60円が弱い抵抗として意識されている。超えれば、前回高値103.91円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同様に103.20円レベルが弱いサポートで、割り込めば直近安値102.88円が視界内に捉えられそう。あまり目先にドル安が進むイメージはないのだが、102.88円を下回るとドルの下値は波乱含みとなる可能性も。

*ご連絡;誠に恐れ入りますが、24日(木)のクリスマスイヴと25日(金)のクリスマス当日は、主要な欧米市場が休場になりますので、当レポートを休刊とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

Xマスモード強まるなか、英国情勢要注意

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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