トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、トルコリラが強い地合いとなった一週間
〇トルコリラ円だけでなくランド円も上昇、新興国通貨全般に買いが強まる
〇トルコ中銀、24日の会合でも1〜2%の追加利上げを行うという見方
〇今週は13.30レベルをサポートに13.80レベルをレジスタンスとする週
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「上値が重い流れを考え、12.95レベルをサポートに、13.30レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.05レベル、高値が13.57レベルとなり、想定よりもかなりトルコリラが強い地合いとなった一週間でした。
先週のトルコリラは、週初から比較的底堅い動きではあったものの17日までは最近のもみあいの中での動きに留まっていました。しかし、週末終値に向けてそれまでのもみあいを上抜けると11月23日以来の水準へとじり高の動きとなりました。これは16日のトルコ中銀総裁の発言が後から効いて来たと考えられますが、アーバル総裁はインフレと戦う姿勢を示したことで、今週24日の中銀会合での追加利上げ思惑が出てきたことでしょう。またトルコリラ円だけでなくランド円も上昇していますので、新興国通貨全般に買いが強まったということもありそうです。
トルコ中銀は前回の会合でエルドアン大統領の顔色をうかがうことなく4.75%の大幅利上げを行い政策金利15.0%としましたが、24日の会合でも1〜2%の追加利上げを行うという見方になってきました。16日の中銀総裁発言までは12月は現状維持という見方の方が多かったのですが、16日の発言以降は追加利上げの思惑の方が多くなってきたようです。ただ、急速に利上げ思惑が出てきたことから、どの程度の上げ幅になるのかは意見が分かれています。
12月3日に発表された11月CPIは前年比で14.03%と予想の12.6%よりもかなり大きく、PPIに至っては前年比で+23.1%と2019年6月以来の高い数字となったことも、16日の発言に繋がった要因となっていますが、CPIのズレが1.4%程度であったことが、1〜2%の追加利上げの根拠になっていると考えられます。前総裁が引き締めに転じたことが更迭理由であったと考えられる中で、2回続けての引き締めに動けば、トルコ中銀に対する信頼も戻るでしょうし、クリスマスで市場参加者が少なく流動性も低い中でトルコリラ一段高の動きになりそうです。
テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
11月中旬以降の動きを見ると、11月19日高値13.83から11月24日安値12.84までの1円ほどの下げに対して半値戻しとなる13.33(青の水平線)がこれまではレジスタンスとなってきました。それを12月18日に明確に上抜け、78.6%(61.8%の平方根)戻しに近づいて引けたこととなります。
次のターゲットとしては100%戻しの13.83を目指す動きになりそうですし、サポートはこれまでのレジスタンスとなっていた半値がサポートになってくるでしょう。今週は13.30レベルをサポートに13.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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