ドル/円は直近安値更新、米FOMCを注視(12/16夕)

16日の東京市場は、ドルが小安い。一時103.40-45円まで下落し、直近安値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル/円は直近安値更新、米FOMCを注視(12/16夕)

ドル/円は直近安値更新、米FOMCを注視

〇ドル円、一時103.40-45まで下落し直近安値を再び更新
〇欧州医薬品庁、米ファイザーのワクチン承認是非の会合を21日に前倒しと発表
〇共和党上院トップのマコネル院内総務、バイデン次期大統領とハリス次期副大統領に祝意を表明
〇本日は米FOMCによる金融政策発表に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.00-104.00
〇本日東京安値103.40を割り込むようなら11月安値103.18、そして103円割れも視界内に

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は、ドルが小安い。一時103.40-45円まで下落し、直近安値を再び更新する局面も観測されていた。

ドル/円は103.65円前後でオープンしたのち、しばらくは揉み合い。103.55円レベルをボトムに底堅い値動きをたどったが、底割れすると、そのままズルズルと日中安値である103.40-45円へと下落している。ただ、目先の底値を付けたのちは小反発へと転じ、16時現在では103.55円レベルで推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米大統領選」について。
前者は、感染拡大がいまだ止まらないなか、地元紙がコンテ伊首相の発言として、「第3波を回避する必要がある。新型コロナの追加の制限措置必要」と報じるなど、クリスマスをにらみ危機感を抱く各国の政府要人は少なくない。ただ、その反面、ワクチン接種に関する報道も多く、悲観一辺倒への傾斜を食い止めていた。たとえば、欧州医薬品庁は米ファイザーによるワクチン承認の是非を検討する会合を21日に前倒しし開催すると発表、EU域内で年内に接種が開始されるとの期待に繋がっていたようだ。

対して後者は、「全米50州と首都ワシントンで選挙人による投票」において、バイデン氏が選挙人の過半数を獲得。米大統領選勝利が確定したものの、トランプ氏は依然として敗北を認めていない。ただ、共和党上院トップのマコネル院内総務はバイデン次期大統領とハリス次期副大統領に祝意を表明したうえで、年明け1月6日に予定される大統領選の結果をめぐる手続きで、同党の下院議員がバイデン氏勝利に反対しても同調しないよう促したという。「外堀」はさらに埋まりつつある感を否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

動きは緩慢で、判断もなかなか難しいのだが、ドル/円は過去1ヵ月近くに及ぶレンジの下限(103.66円)をしっかり割り込み、下値リスクが高まってきた感がある。今回ばかりは「ダマシ」でなく、さらなるドルの続落にも要注意か。まずは11月安値の103.18円をターゲットとした値動きが注視されている。
米与野党による「新型コロナウイルス追加景気対策と予算案をめぐる協議」の行方など注意すべき要因は幾つかあるものの、本日は注目の米FOMCによる金融政策の公表が予定されており、そちらの動きに注目だ。ちなみに、市場でとくに注視されているのが「資産買入の拡大」などについて。ブルームバーグでは、「完全雇用と2%のインフレ目標の達成に向けた進展具合と、購入をいつまで続けるかを関連付ける新たなガイダンスをFOMCが示す可能性がある」と報じているが、なんらかのサプライズ発表はあるのだろうか。

テクニカルに見た場合、昨日筆者は「レンジブレークを達成したのか否かは微妙な状況だ。ダマシあるいは下値トライが失敗に終わった可能性もある」と指摘したが、本日東京時間にドルは前回安値を一時下回るなど、下値リスクが改めて確認された格好にある。チャートで見た次のドルのサポートは11月安値の103.18円で、それも下回ると102円台突入も否定できなくなりそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月の小売売上高や12月の製造業PMI速報といった米経済指標が発表されるうえ、前述したように米FOMCによる金融政策の発表が予定されている。とくに後者については、発表前後からの相場の乱高下には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.00-104.00円。短期的には103.60円レベルや103.80円レベルなどが弱い抵抗となっている感。それらの攻防にまずは注目で、超えれば104円台前半の移動平均21日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値103.40-45円がサポートとして意識されている。割り込むようだと11月安値103.18円、そして103円割れも視界内に捉えられそうだ。

ドル/円は直近安値更新、米FOMCを注視

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る