ドル円、追加緩和見送りを受けて反発するも戻りは鈍い。一巡後の反落に注意(12/17朝)

16日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。

ドル円、追加緩和見送りを受けて反発するも戻りは鈍い。一巡後の反落に注意(12/17朝)

ドル円、追加緩和見送りを受けて反発するも戻りは鈍い。一巡後の反落に注意

〇ドル円米追加緩和観測に欧州時間に103.26まで下落するも、FOMC追加緩和見送りで103.92まで反発
〇FOMCは政策金利据え置き、フォワードガイダンス強化、成長率上方修正、債券買い入れ額拡大見送り
〇ユーロドル米追加緩和期待で18/4以来の1.2212まで上昇後、FOMC結果受け一時1.2125まで急落
〇ドル円104円台回復には至らず上値の重さ再確認
〇パウエル議長は会見でコロナ感染拡大に懸念表明、追加緩和滲ませるなど全体としては十分ハト派か
〇引き続きドル円下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:103.00ー104.00

海外時間のレビュー

16日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@対欧州通貨でドル売りが進んだこと(英EU交渉の進展期待→英ポンドやユーロが対ドルで上昇)や、A米FOMCを前にした根強い追加緩和観測(ドル売り)、B新型コロナウイルスの感染拡大(米国における入院者数が過去最多を更新)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、約1ヶ月ぶり安値となる103.26まで下落しました。しかし、11/6に記録した直近安値103.17をバックに下げ渋ると、B米追加経済対策の合意期待(9000億ドル規模の追加経済対策の合意が近づいているとの報道)や、C米FOMCが予想ほどハト派的では無かったこと(※)等が支援材料となり、米国時間午後にかけて、一時103.92まで急伸する場面も見られました。もっとも、節目104円丁度近辺では戻り売り意欲も根強く、引けにかけては再び反落。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、103.55近辺で推移しております。

※米FRBは、12/15ー12/16に開催されたFOMCにて、@FF金利誘導目標の据え置き(0.00%ー0.25%)、Aフォワードガイダンスの強化(従来、資産買い入れ期間について、「今後数ヶ月」と表記していた部分を、「完全雇用と物価安定に近づくまで継続=until substantial further progress has been made toward the Committee’s maximum employment and price stability goals」に変更)、B経済成長率見通しの上方修正(2020年は前回の▲3.7%から▲2.4%へ上方修正、2021年は前回の4.0%から4.2%へ上方修正、2022年は前回の3.0%から3.2%へ上方修正)を決定しました。一部で予想されていたC追加緩和(買い入れ額の拡大)が見送られたことで、直後の反応は米長期金利上昇→ドル高となっております。

16日(水)のユーロドル相場は急伸後に急反落。@米FOMCを前にした追加緩和観測(ドル売り)や、A英EU交渉の進展期待(英ポンド上昇→ユーロ連れ高)、Bユーロ圏12月製造業PMI(結果55.5、予想53.0)及び、Cユーロ圏12月サービス業PMI(結果47.3、予想41.9)の力強い結果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、2018年4月以来、約2年8ヵ月ぶり高値となる1.2212まで急伸しました。しかし、D予想ほどハト派的では無かった米FOMCを受けてドル高圧力が強まると、米国時間午後にかけて、一時1.2125まで急落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後は持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2175近辺で推移しております。

本日の見通し

ドル円は、欧州時間朝方にかけて一時103.26まで下落するも、直近安値103.17(11/6に記録した約8ヵ月ぶり安値)をバックに下げ渋ると、米FOMC後に反発する動きとなりました。しかし、節目104円台を回復するには至らず、テクニカル的にみて、上値の重さを再確認する形となっております(強い売りシグナルを表す一目均衡表三役逆転や移動平均線のパーフェクトオーダーも継続中)。米FOMCでは一部で期待されていた追加緩和こそ見送られましたが、フォワードガイダンスの強化(実質的に2023年までのゼロ金利継続)が示されたことに加えて、パウエルFRB議長も記者会見でコロナ感染者数拡大への懸念や、追加緩和実施の可能性を滲ませるなど、全体としてみれば、十分ハト派と捉えることも出来そうです。

米追加経済対策の進展具体や、新型コロナウイルスに関するヘッドライン、米経済指標(米11月住宅着工件数や、米新規失業保険申請件数、米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数など)の結果を睨みながらも、当方では引き続き、一巡後のドル円下落をメインシナリオとして予想いたします(昨日の安値103.26や、11/6に記録した約8ヵ月ぶり安値103.17、心理的節目103.00を試す展開を想定)。

本日の予想レンジ:103.00ー104.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、追加緩和見送りを受けて反発するも戻りは鈍い。一巡後の反落に注意

ドル円日足

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