米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(2020/12/16)

東京時間では2020年12月17日金曜日未明に公表予定です。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(2020/12/16)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

(東京時間では2020年12月17日金曜日未明)

NY時間12月16日14時(木曜日)にFOMCが開催され金融政策の公表、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1) 政策金利

(12月16日 10時現在の予想)

現在のFFレート「0.0〜0.25%」⇒据え置き
(エコノミストレンジは0.00〜0.25%で全員据え置き予想)

年内最後のFOMCになりますが、現状維持の据え置き予想になっています。新大統領確定がないまま、議会では追加経済対策の合意遅れもあり、金融緩和だけでは片肺飛行になりますので、FRBも動き難いと思います。
12月2日に公表されたベージュブックでは、Covid-19の感染再拡大により、経済減速気味、先行き懸念を滲ませており、何らかのメッセージを出したいところですが、緩和するにしても来年に持ち越しとなりそうです。
今回のFOMCで想定される状況としては

@ 既存の債券購入は今後中期債を中心としたより長い年限の債券購入に変更する。(9月FOMC時の10年債は0.69%付近でしたが、現在は0.91%絡みになっています) 
A 債券購入の継続はインフレが2%を越えて、その後着実に上昇すると確信するまで継続するとの文言が入る。(これまでのインフレ2%を越えての内容に関し、一段と長期化を示唆する内容の文言)
B 9月時のドットプロットで、17名の理事中4名が2023年の利上げ予想をしていたが、今回はその人数がどの様に変化したか注目したい。
C 9月から3ヶ月経過後の経済見通しがどの様に変更されるのかウォッチする。

尚、CMEのFedwatchはこれまで予想されていた2021年9月のFOMCまで全てFFレート据え置きを予想していましたが、2021年4月28日の会合時には僅か1%ですが、FFレートを0.25〜0.50%への利上げ予想に変わっています。

(2) 最近のFRB関係者の主な発言(最近2〜3週間分)

12月5日 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁「経済の完全回復までの道のりは長い」
      エバンス・シカゴ 連銀総裁   「おそらく2024年までは利上げしないだろう」
12月4日  エバンス・シカゴ 連銀総裁   「米経済は予想以上に回復した」
12月3日 カプラン・ダラス連銀総裁    「FRBの債券購入ペースの加速を支持しない」
                     「2021年のGDPを3.5%強と予想」
      パウエルFRB議長      「景気刺激策の終了はかなり先の話だ」
      ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
     「ワクチン使用開始が可能になれば、21年下半期の経済成長は回復すると見込む」

12月2日 パウエルFRB議長        「中期的には上方サイドのリスクがある」
11月25日 ブラード・セントルイス連銀総裁 「今すぐ債券購入を変更する必要はない」
      ウィリアムズ・NY連銀総裁 
     「財政政策はワクチンが利用可能になるまでの繋ぎとして重要な役割を果たす」
11月24日 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「財政刺激策が無ければ家計は苦戦」
11月21日 カプラン・ダラス連銀総裁    「新型コロナ感染の再拡大で経済活動は停滞」
11月20日 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「支援策の失効は人々へのリスクとなる」

2020年の委員会メンバーは以下です。
パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ニール・カシュカリ、ロレッタ・メスター、ランダル・クォールズ

(2020年12月16日12:40、1ユーロ=1.2162ドル、1ドル=103円57銭)

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