ドル円 注目材料少なくない、動意期待も!?(12/14夕)

週明け14日の東京市場は、ドルが底堅い。103.80-85円では下げ渋る局面も観測されたが、一方で上値も重く104円台では上げ渋りの様相だった。

ドル円 注目材料少なくない、動意期待も!?(12/14夕)

ドル円 注目材料少なくない、動意期待も!?

〇ドル円、103.80-85で目先ボトムを打つと底堅く推移、16時現在104.00-05で推移し欧米時間を迎える
〇ポンドが対円やドルで堅調裡、英EU通商交渉継続決定が好感されたか
〇米連邦最高裁はトランプ陣営の訴えを退ける判決を下す
〇市場はクリスマスモードで積極的な動意は乏しいが米FOMCの発表が16日に行われるなど油断は禁物
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.60-104.40

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場は、ドルが底堅い。103.80-85円では下げ渋る局面も観測されたが、一方で上値も重く104円台では上げ渋りの様相だった。

先週末は、新型コロナの新規感染者数が7000万人を上回った(14日午前3時点では7195.1万人)ことが明らかになったうえ、英EU首脳が電話会談を実施するなか「通商交渉続行」で一致し決裂が回避されたという。
そうした状況下、ドル/円は103.95円前後と、若干円高優勢でオープンしたものの、その後の円買いは限られた。103.80-85円で目先ボトムを打つと、ドルは底堅く推移。上値も重いなか104円台をわずかながら回復する局面も見られ、16時現在では104.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別にポンドが対円やドルで堅調裡。前述した週末の「英EU通商交渉継続」決定が好感されていたようで、下方向にギャップを空けていきなりの高寄り。その後もポンドは強保ち合いの展開だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「英EU通商交渉」と「米大統領選」について。
前者は、先週末ジョンソン英首相が「交渉は失敗に終わる公算が大きい」という見通しを示したと伝えられるなど、先行き不透明感が漂うなか、13日に実施された英EU首脳の電話会談において、「通商交渉続行」で一致、決裂が回避されたという。これそのものは一応ポジティブファクターではあったものの、協議が大きく進展したといったものではなく、過度の期待は禁物か。実際、英BBCによると、ジョンソン氏から会談後に「我々の立場にはかなりの隔たりがあるが、英国が協議から離れることはない」とのコメントが聞かれていた。まだまだ予断は許さない。

対して後者は、投票から1ヵ月以上が経過するも、依然として決着のつかない米大統領選だが、米連邦最高裁は、トランプ陣営による「激戦4州の結果の無効化を求めた訴え」を退ける判決を下している。これにより、トランプ大統領が法廷闘争を続けるのは難しい状況となったことは間違いない。しかし、米紙WSJが「トランプ氏、逆転狙い選挙不正捜査する特別検察官任命を模索している」と報じたほか、当のトランプ氏自身「最高裁の判決には失望、ただ戦いは続ける」と発言。引き下がるという意識はまったくないようだ。なお、14日には全米50州と首都ワシントンで選挙人による投票が行われる予定となっている。

<< 欧米市場の見通し >>

クリスマスまで残り10日あまり、市場はクリスマスモードで積極的な動意が乏しくなっている。油断は禁物だが、今週最大の注目材料である米FOMCの結果発表が16日に予定されていることもあり、基本的にはそれにらみ。目先のドル/円相場は狭いレンジ取引が続く可能性を否定できない。
ただ、材料的には本日なかなか豊富だ。たとえば、米国ファクターだけでも先で取り上げた「全米50州と首都ワシントンで選挙人による投票」が行われるほか、13日に経済対策協議を行ったとされる「米下院議長と財務長官が14日に再協議を実施」する見込み。また、「コロナワクチンの接種が一部で14日にも開始される」もようで、こちらも副作用の有無など動静が注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続きレンジ内だが、敢えて指摘をすればその下限である103.66円を意識した動きであるようにも感じられる。改めて指摘するまでもなく、昨年来のドル/円は「ダマシ」が多い。つまり、一旦抜けたと思わせたが、結局レンジ内に回帰するという展開が少なくないのだが、取り敢えず、このままドルが続落し、下限割れを試すのか否か、その攻防には要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」などが注視されている。
一方、本日の材料としては、目立った米経済指標の発表や欧米要人による講演なども、とくには見当たらない。そうした意味ではやや動きにくそうな雰囲気だが、先で指摘したように「経済対策協議」など、別途米国関係の材料は決して少なくないようだ。またEU通商交渉を中心とした英国情勢についても、引き続き要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.60-104.40円。104.20円レベルまで値を下げている移動平均の21日線をめぐる攻防にまずは注目。上抜けると104.58円やレンジ上限の104.76円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末と本日東京で2度下げ止まっている103.80-85円がサポートとして意識されている。割り込むようだとレンジ下限103.66円、さらには103.18円を目指す展開も。

ドル円 注目材料少なくない、動意期待も!?

ドル円日足

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