ランド円レポート月曜版
〇ランド円、安値6.70レベル、高値6.91レベルで予想より10銭ほどランド高での推移
〇バイデン政権誕生準備の動きが中国にとって、しいては南アフリカにとっても好材料に
〇25日発表のCPIが予想より強く利下げ懸念が遠のき、ランド買い材料に
〇6.90よりも上にはランド円の利食い売りが控えている印象
〇今週は6.65レベルをサポートに、6.90レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「ムーディーズの格付け引き下げが上値を抑えやすくする材料であると考え、3週前の高値圏6.60レベルをサポートに、レジスタンスラインと重なる6.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.70レベル、高値が6.91レベルとなり、予想よりも10銭ほどランド高での推移となりました。
先週のランドは格付け引き下げ後も特に下げていなかったことから調整が入りやすいと見ていましたが、まったく材料視されることもなく11月9日高値を1銭のみですが更新する動きとなりました。材料的に新型コロナワクチン接種が年内にも開始される可能性が高まってきたことが株式市場にとって好材料となり、リスクオンの動きが新興国通貨にも好材料となったという点と、着実にバイデン政権誕生に向けての準備に動いていることが中国にとって好材料、しいては南アフリカにとっても好材料と取られたというところです。
また25日に発表されたCPIが予想よりも強かったことから利下げ懸念が若干遠のいたという点もランドの買い材料ではありましたが、値動き的には底堅かったものの上げきれずという感じで、逆に6.90よりも上にはランド円の利食い売りが控えていそうだという印象を強めました。これはランド円よりもドルランドにおいて15.10から大台15.00にかけてランド売り(ドル買い)のオーダーが並んでいたということだと考えられます。
今週のランドは、経済指標では今夜の貿易収支・財政収支程度でそれほど目立ったものはありません。引き続き株式市場におけるリスクオンが継続するかどうかということが最大の材料となりそうな感じもしますが、先週はNYダウが現物市場で大台3万ドルをつけたことで達成感も出ていて、今週に限って言えば株式市場からの支援は無さそうに思えます。
他には特に材料もありませんのでチャートを見ていきます。今週はドルランドの週足チャートから見ていきましょう。
ランドは対ドルではコロナショック後の安値から上下しながらも着実にランド高方向へと動き特に11月に入ってからはランド高に勢いがついています。長期的には2018年安値と2020年高値の半値押しとなる15.425を下抜けてきたことで61.8%押しの14.500を狙いやすい流れになってきたと見ることも可能です。
また今年に入ってからの動きでは年初来安値と高値の78.6%(61.8%の平方根)押しが15.091でまさにここまでのランド高値(ドル安値)と一致しているため、いったんは15.0の大台を前に足踏みする可能性が高いという見方もできます。個人的には、先週の値動きとも合いますし、こちらの15.0〜15.091の水準でいったん足踏みというほうを採用したいと思います。
このことを踏まえていつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週引いたサポートラインはそのままに、レジスタンスラインの代わりにサポートラインと平行なラインを引いてみました。おそらくはこの平行チャンネルの中でのもみあいを今週も続けるのではないかと考えられます。今週は6.65レベルをサポートに、6.90レベルをレジスタンスとする流れを見て、方向感が出てくるのは来週以降と考えています。
注:ポイント要約は編集部
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.12.05
南アランド週報:『一部地域で規制再開の恐れ。来週は南ア関連イベントが目白押し』(12/5朝)
南アフリカランド円相場は、テクニカル的な強さに支えられながらも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.11.28
南アランド週報:『バイデン期待を背景に底堅い動き。約8ヵ月半ぶり高値更新』(11/28朝)
南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/25には、約8ヶ月半ぶり高値となる6.91円(3/5以来)まで急伸しました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。