『一部地域で規制再開の恐れ。来週は南ア関連イベントが目白押し』
〇南ア円週明け6.72まで下落の後リスク選好ムードで一時6.87まで反発
〇その後はケープタウン等での外出規制導入報道で6.85まで緩んでの越週
〇南ア円テクニカルな強さに支えられるもファンダメンタルズの弱さが続伸阻む展開
〇ロックダウン再開報道が重石
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.55ー6.95
今週のレビュー(11/30−12/4)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.81円で寄り付いた後、@月末ロンドンフィキシングに絡むランド売りを背景に、早々(週明け海外時間)に、週間安値6.72円まで下落しました。しかし、21日移動平均線に続落を阻まれると、A新型コロナワクチンに関する楽観ムードの広がり(欧米での実用化期待)や、B上記Aを背景とした株式市場の堅調推移(リスク選好ムード→新興国通貨への資金流入)、C南アフリカに友好的なバイデン新大統領誕生が確実視されていること等が支援材料となり、翌12/1には、週間高値6.87円まで反発する場面も見られました。もっとも、同水準では戻り売り意欲(11/25に記録した約8ヵ月半ぶり高値6.91円をバックにした戻り売り意欲)も根強く、伸び悩むと、週後半にかけて再び反落。D新型コロナウイルス対策としてホットスポット(ケープタウン等)に外出制限が課されるとの一部報道も重石となる中、結局6.85円前後まで小緩んでの越週となっております。
来週の見通し(12/7−12/11)
南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/25には、約8ヶ月半ぶり高値となる6.91円まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(欧州諸国のロックダウン再開を通じて南アフリカの対欧州向け輸出が打撃を被る恐れ。南アフリカ国内においてもホットスポットを中心にロックダウン再開の可能性)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限を通じた景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(バイデン新大統領も対中強硬姿勢を踏襲する可能性あり。米経済誌によると、バイデン氏は対中関税第一弾を直ちに撤廃しないとの考え)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(貴金属市場低迷→南アランド下落)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測、Eムーディーズやフィッチによる相次ぐ格下げ(元々ジャンク級だった南アフリカ国債を更に引き下げ)など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っています。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的な強さに支えられながらも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。@株式市場や商品市況(特に貴金属市場)の動向や、A新型コロナウイルスの感染状況、B南アフリカ国内のロックダウンに係る続報、C南アフリカの主要経済指標(12/8の南ア第3四半期GDP、12/9の南ア11月消費者物価指数、南ア10月小売売上高、12/10の南ア11月生産者物価指数、南ア第3四半期経常収支、南ア10月製造業生産高など)の結果を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内におけるロックダウン再開検討報道がランドの重石)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.55ー6.95
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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