南アランド週報:『バイデン期待を背景に底堅い動き。約8ヵ月半ぶり高値更新』(11/28朝)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/25には、約8ヶ月半ぶり高値となる6.91円(3/5以来)まで急伸しました。

南アランド週報:『バイデン期待を背景に底堅い動き。約8ヵ月半ぶり高値更新』(11/28朝)

『バイデン期待を背景に底堅い動き。約8ヵ月半ぶり高値更新』

〇南ア円前週末の格下げ響き週初6.71まで下落するも下げ止まり、一時6.91まで反発
〇リスク選好ムード、南アフレンドリーなバイデンへの期待、良好な経済指標がサポート
〇テクニカルには地合いの強さ印象付けるが、ファンダメンタルズは懸念材料残る
〇心理的節目7.00をバックに戻り売り強まるか
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.55ー6.95

今週のレビュー(11/23−11/27)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.73円で寄り付いた後、早々に週間安値6.71円まで反落しました(先週末金曜日に発表されたムーディーズやフィッチによる格下げが背景)。しかし、11/19に記録した直近安値6.66円をバックに下げ渋ると、@新型コロナワクチンに関する楽観ムードの高まり(早ければ12/11にもワクチン接種がスタート)や、A上記@を背景とした株式市場の堅調推移(リスク選好ムード)、B南アフリカに友好的なバイデン新大統領誕生の可能性が一段と高まったこと(トランプ米大統領が政権移行の手続きを容認)、C南ア10月消費者物価指数(結果3.3%、予想3.0%)の予想比上振れ(利下げ観測後退→ランド買い)、D南ア第4四半期BER企業信頼感指数(結果+40、前回+24)の良好な結果が支援材料となり、週央にかけて高値6.91円(約8ヵ月半ぶり高値圏)まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(11/28日本時間午前4時45分現在)では6.83円前後で推移しております。

来週の見通し(11/30−12/4)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/25には、約8ヶ月半ぶり高値となる6.91円(3/5以来)まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(欧州諸国のロックダウン再開を通じて南アフリカの対欧州向け輸出が打撃を被る恐れ)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限を通じた景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(バイデン新大統領も対中強硬姿勢を踏襲する可能性あり)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(貴金属市場低迷→南アランド下落)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測(今週はCPI及びPPIが上振れたことで利下げ観測が後退するも油断は禁物)、Eムーディーズやフィッチによる相次ぐ格下げ(元々ジャンク級だった南アフリカ国債を更に引き下げ)など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っています。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的な強さを残しつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。@株式市場や商品市況(特に貴金属市場)の動向や、A新型コロナウイルスの感染状況、B南アフリカの主要経済指標の結果(11/30の南ア10月貿易収支、12/4の南ア11月SACCI景況感指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目7.00をバックに戻り売りが強まる展開を想定)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.55ー6.95

注:ポイント要約は編集部

『バイデン期待を背景に底堅い動き。約8ヵ月半ぶり高値更新』

南アフリカランド円日足

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