ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「三角もちあい起点の高値6.57レベルをサポートに、前週高6.90レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは安値が6.65レベル、高値が6.85レベルと、比較的静かな動きの一週間となりました。
先週のランドは、2つ注目材料がありましたが、ひとつは政策金利の発表です。現状維持で3.50%となりましたが、今回の会合でも2人のメンバーが利下げを主張していましたので、今後の会合でも常に利下げ思惑は付きまとうこととなるでしょう。
そして、もうひとつの材料は格付け発表です。こちらはS&PはBB-と変更なしだったのですが、ムーディーズが1ノッチ引き下げBa2(BB相当)としました。金曜のNY引け間際の発表で週明け早朝にランド売りで反応するかと思いましたが、若干下げた程度で目立った動きにはなっていません。最近の南アの状況を考えるとムーディーズは高めの格付けをしていたということで想定内という反応のようです。今後S&Pが下げることがあった場合、そちらのほうが注意かもしれません。
今週は経済指標はCPIとPPI、企業信頼感といった数字が並びますが、先週の金融政策決定会合でも利下げを主張するメンバーが2人いたことから、CPIの数字には注目ではありますが、会合もあったばかりなので、それほど影響は無いと考えられます。また株式市場の上値が重たくなってきていることから、株価の一段の下げがあるとランド円をはじめとする新興国通貨には売りが入りやすくなるので、株価動向にも注意です。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
直近2週間で三角もちあいを形成していることから抜けた方向に動きやすいのですが、今後の金利先安観が出やすくなりそうなことと、ムーディーズの格付け引き下げが売りには繋がっていないものの上値を抑えやすくする材料であると考えると、下抜けに注意したいところです。
今週は3週前の高値圏6.60レベルをサポートに、レジスタンスラインと重なる6.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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