トルコリラ円レポート月曜版(2020年11月23日)

良い意味で期待は裏切られコンセンサス通り4.75%の利上げを行い政策金利を15.0%としました。

トルコリラ円レポート月曜版(2020年11月23日)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコ円アーバル新中銀総裁の4.75%利上げに13.83まで上昇
〇一旦中銀の独立性への信認戻る
〇利上げによる投資家のトルコリラ買いは期待できるが、トルコを取り囲む材料に変化が無し
〇安値を見て上昇に転じたとまでは言えない
〇13.20レベルをサポートに、13.80レベルをレジスタンスとする流れか

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「中銀のイベントでの失望を予想して、下降中の抜けたレジスタンスをサポートにしつつも上がりきらない流れを考え、13.00レベルをサポートに、13.80レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.17レベル、高値が13.83レベルとなり、予想よりもややトルコリラ高での推移となりました。

先週のトルコリラはアーバル新トルコ中銀総裁が中銀会合でどのような決定を下すのかに注目が集まった一週間となりましたが、ウイサル前中銀総裁が緩和から引き締めに転換したことが更迭の大きな理由であったと考えられることから、個人的にはコンセンサスのような大幅利上げは行われず、3%程度の利上げに留まると考えていましたが、良い意味で期待は裏切られコンセンサス通り4.75%の利上げを行い政策金利を15.0%としました。

中銀会合を前に市場参加者も見方が分かれていましたが、トルコリラを防衛するためにも大幅な利上げが必須と見られていた中で、アーバル新総裁は政策の透明性高めるとも事前に表明していました。今回は大幅利上げを行ったことで、市場参加者は妥当な判断と考えると同時にエルドアン大統領の顔色をうかがわなかったことに当面は中銀の独立性を信じてみようかという感じになったことも事実だと思います。ただ、今回の大幅利上げで当面はその効果を見守る段階に入ると思いますので、逆に次回会合では現状維持となりそうです。

トルコリラは利上げ直前にトルコリラ売りが先行していたこともあって、利上げ直後には大幅利上げにも関わらず動きが鈍かったのですが、徐々に対ドル対円ともにトルコリラ買いが広がり対円で13.83、対ドルで7.4960のトルコリラ高となりました。しかし、対ドルで7.50レベルではトルコリラを売りたい向きも残っていた様子で、イベントが過ぎたことから改めてトルコリラを売る動きとなりました。

問題は利上げ後のトルコリラ買いの動きが今後も継続するのか、あるいは一時的な戻しに過ぎないのかですが、大幅利上げの効果は今後の投資家によるトルコリラ買いを期待できるいっぽうで、現時点でトルコを取り囲む材料には何も変化が無いことから、安値を見て上昇に転じたとまでは言えないと思います。また、利上げ前週の中銀総裁更迭と財務相辞任のニュースで既に大きくトルコリラ高に進んでいたことから、短期的にはいったんトルコリラ売りが出て来てもおかしくはないと見ています。

テクニカルに考えましょう。今週はトルコリラ円の週足チャートから見ていきます。

トルコリラ円レポート月曜版

今年に入ってからのトルコリラ円はほぼワンウェイダウンでしたが、6月に一度戻しが入っていて、その戻り高値が16.25でした。この戻り高値と史上最安値12.04の戻しを考えると、38.2%戻しが13.65、半値戻しが14.15となっていて、間の大台14円は当面レジスタンスとなりやすい水準であると言えそうです。

いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

チャート内上部の赤い水平線は上述した半値戻しの14.15、ピンクのラインは以前のレジスタンスラインです。現状は大きくは以前のレジスタンスをサポートに、半値水準をレジスタンスとする流れにあると見てよさそうですが、レンジとしてはやや広い印象があることや、前週の上昇ペースが速かったことから目先は調整の横ばいになりやすいと見て、13.20レベルをサポートに、13.80レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

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