ドル円、新型コロナワクチン期待や良好な米経済指標の結果を受けて急反発(11/24朝)

23日(月)の外国為替市場でドル円は急上昇(本邦は勤労感謝の日で祝日)。

ドル円、新型コロナワクチン期待や良好な米経済指標の結果を受けて急反発(11/24朝)

ドル円、新型コロナワクチン期待や良好な米経済指標の結果を受けて急反発

〇ドル円本邦祝日中に急上昇1週間ぶり高値104.64まで急伸後104円台半ばでの取引
〇英アストラゼネカワクチン臨床結果有効報道、株堅調、米長期金利上昇、米指標好調が背景
〇ユーロドルワクチン期待に1.1096まで上昇後欧州感染拡大、ECB緩和観測、米欧指標格差で反落
〇ドル円テクニカルには104.50レベルのテクニカル密集帯で上値抑えられる展開
〇本日は反落リスクに注意
〇本日の予想レンジ:104.00ー105.00

海外時間の為替概況

23日(月)の外国為替市場でドル円は急上昇(本邦は勤労感謝の日で祝日)。米国時間朝方にかけて安値103.68まで下げ幅を広げるも、11/18に記録した直近安値103.64をバックに下げ渋ると、@新型コロナワクチン期待(早ければ12/11にもワクチン接種がスタート。英アストラゼネカも新型コロナワクチン
の臨床試験で平均70%の有効性が認められたと発表)を背景としたリスク選好ムードの高まりや、A欧米株の底堅い動き、B米長期金利の持ち直し(ドル高)、C米11月総合PMI(結果57.9、前回56.3)の良好な結果(5年7ヵ月ぶり高水準)、Dロンドンフィキシングに絡むドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約1週間ぶり高値となる104.64まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、104.50近辺で推移しております。

23(月)のユーロドル相場は上昇後に急反落。@新型コロナワクチン期待を背景としたリスク選好のドル売りを材料に、欧州時間午後にかけて高値1.1906まで上昇するも、11/9に記録した直近高値1.1920をバックに伸び悩むと、@欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大や、Aドイツによるロックダウンの延長報道(新型コロナウイルスの感染抑制を目的とした部分的な都市封鎖を12/20まで延長)、BレーンECB専務理事によるハト派的な発言(新型コロナウイルスの影響が続く限り緊急債券購入プログラムを継続)、Cドイツ11月サービス業PMIの冴えない結果(製造業PMIは良好な数字)、D米11月総合PMIの良好な結果(5年7ヵ月ぶり高水準)、Eロンドンフィキシングに絡むドル買い圧力が重石となり、米国時間にかけて安値1.1801まで急落する展開となりました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、1.1840近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、11/18にかけて、一時103.64まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(昨日は一時104.64まで急伸するも、一目均衡表の転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドが密集する104.50近辺で上値を抑えられる展開に)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地が残る米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(トランプ米政権は中国企業89社に対して米国の製品や技術の購入を制限)、C朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(新型コロナワクチンに関する過度な期待感の後退)、E日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数急拡大→本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、H米財政赤字の拡大懸念(米国債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる構造的な不安材料は引き続き沢山残っている状態です(尚、バイデン新政権発足後の次期財務長官にドル安論者と評価されているブレイナードFRB理事が選出されるとの思惑がありましたが、本件については昨日否定的なコメントが報じられております)。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、反落リスクが警戒されます。欧米株及び欧米長期金利の動向や、新型コロナウイルスの感染拡大状況、新型コロナワクチンに関するヘッドライン、米経済指標の結果(米9月住宅価格指数、米11月リッチモンド連銀製造業指数、米11月コンファレンスボード消費者信頼感指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(ロンドンフィキシングに絡むドル買いは一服。本日は反落リスクに要警戒)。

本日の予想レンジ:104.00ー105.00

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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