米株に一喜一憂しつつもドルの上値は重そう(11/30夕)

週明け30日の東京市場は、ドルが小安い。一時先週末に安値である103.90円を下回り、直近安値を更新する局面も観測されていた。

米株に一喜一憂しつつもドルの上値は重そう(11/30夕)

米株に一喜一憂しつつもドルの上値は重そう

〇ドル円、日中高値104.15-20まで値を上げるがドル買いの流れ続かず反落に転じ一時103.80-85まで下落
〇英EUの通商交渉は週内に合意が成立する可能性があると楽観的な発言が聞かれた
○今週以降は段々とクリスマスモード、「薄商い=荒れ相場」にも一応注意
〇本日発表の11月シカゴ購買部協会景気指数やダラス連銀製造業活動指数などに注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.50-104.40

<< 東京市場の動き >>

週明け30日の東京市場は、ドルが小安い。一時先週末の安値である103.90円を下回り、直近安値を更新する局面も観測されていた。

先週末には、コロナワクチンの接種について、「早ければ12月7日にも英国内で接種できるようになる可能性」などといった一部報道が観測されたほか、OPECプラスが共同閣僚監視委員会会合を開催するも来年1月の増産延期で合意できなかった旨の発表がなされている。
そうした情報を踏まえ、ドル/円は104.00-05円で寄り付いたのち、しばらくはドルが小高い。日中高値である104.15-20円までわずかに値を上げた。しかしドル買いの流れは続かず、反落に転じると104円割れへ。先週末安値を下回る103.80-85円まで一時下落している。16時現在でもドルは日中安値圏、低位に推移し欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米大統領選」について。
前者は、大きく2つに大別され、うちひとつである「コロナワクチン」については、「北朝鮮のハッカー集団が英アストラゼネカにサイバー攻撃の疑い」などといった報道も観測されたが、反面で前述したような早期のワクチン接種期待が取り沙汰され、そちらが好感されていたようだ。また、もうひとつの要因である「英EUの通商交渉」も、英国のラーブ外相から「週内に合意が成立する可能性がある」との楽観的な発言が聞かれたうえ、英紙テレグラフが「英国の水域をめぐる同国の主権をEUが正式に認める方向」などと報じ、こちらも協議の進展へ向けた明るい材料として期待されていた。

対して後者は、ペンシルベニア州連邦控訴裁から、「大統領選で不正が行われた」と主張していたトランプ陣営の訴えを棄却する旨の発表がなされるなか、FOXニュースはインタビューに応じたトランプ米大統領が「連邦最高裁に持ち込むのは極めて難しい」とし、事実上の敗北を認めたなどと指摘している。一方、バイデン氏は着々と組閣人事に勤しんでいるようで、「大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長には米プリンストン大学の労働経済学者であるラウズ氏」、「国家経済会議(NEC)委員長にディーズ元ホワイトハウス顧問」、「大統領報道官にオバマ前政権時代の国務省報道官サキ氏」−−などと、指名あるいは内定報道が相次いでいた。

<< 欧米市場の見通し >>

「米ジョンズ・ホプキンス大学の調査で、米国の一日あたりの新規感染者20万人超で過去最多更新」、「トルコ、29日まで7日連続で死者が過去最多を記録」−−などと伝えられるように、依然としてコロナの感染拡大に歯止めがかからない。もちろん、これらそのものは市場のリスク要因だが、一方でワクチン開発期待がそれを緩和させている感がある。楽観と悲観、コロナとワクチン開発をめぐる攻防はまだしばらく続きそうだ。
そうしたなか、材料的に注視されているものは、経済指標の発表などもさることながら、米感謝祭も越え、クリスマスや年末・年始を視野に入れた様々な需給要因。とくに、今週以降はクリスマスモードが段々と強くなり、商いが薄くなることが見込まれるだけに、「薄商い=荒れ相場」にも一応要注意か。また、別途米株や暗号資産(仮想通貨)の動きも気掛かりだ。後者については、先週末に英紙FTが「米フェイスブックが計画を主導する『リブラ』が来年1月にも発行される見通し」と報じたことが依然として物議を醸している。

テクニカルに見た場合、ドルは本日東京でじり安推移、103.80-85円まで下落している。103.66円の前回安値、あるいは月間安値である103.18円が次のターゲットとして意識されているようだ。なお、それとは別に、レベル的には本邦政治家などによる口先介入を警戒する声もチラホラ聞かれていた。
対するドルの抵抗は、移動平均の21日線が位置する104.40円前後、先週高値の104.76円などとなる。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、11月のシカゴ購買部協会景気指数や同ダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、OPEC総会や欧州を中心とした要人の講演なども実施される見込みで、場合によっては相場の波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.50-104.40円。引き続き104.20円レベルが最初の抵抗として寄与しているようだ。上抜ければ21日線が位置する104.40円前後、先週高値104.76円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、18日安値の103.66円が下値メドとして意識されており、それを割り込むと月間安値である103.18円が視界内に。

米株に一喜一憂しつつもドルの上値は重そう

ドル円日足

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