トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが「長期的なトルコリラ安の流れの中でいったん買い戻しが入ると見て、12.15レベルをサポートに12.75レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは安値が12.12レベル、高値が13.81レベルと、最近のトルコリラとしては急騰ともいえる大幅高の一週間となりました。
先週のトルコリラは、前週のトルコ中銀ウイサル総裁更迭、アルバイラク財務相辞任と、金融の中心にいる二人がほぼ同時に辞めるというニュースでの週明け相場となりましたが、どちらも市場参加者に好感されトルコリラ買いとなる中で、月曜欧州市場におけるNYダウ先物急伸による円安も助けとなり、トルコリラ高+円安とダブルで買い戻しが大きく進むこととなりました。
今週のトルコリラは、新総裁就任後最初の中銀会合が木曜に予定されていて、ここでの政策金利発表に注目が集まります。コンセンサスは現在の10.25%から15.0%へと大幅な利上げとなっていますが、そもそも前総裁が更迭された最大の理由がそれまでの緩和を引き締めに転換した動きをエルドアン大統領が気に入らなかったことであるということを考えると、果たしてそこまでの利上げは可能なのだろうかと疑問です。
このあたりはエコノミストの意見も分かれているようで、1%〜5%といった幅がある状態です。もっともハト派な見方としては翌日物貸出金利に揃えて11.75%と1.5%の利上げ、また個人的な意見ではある程度の利上げをしないとトルコの状況は悪化の一途ということで、後期流動性貸出金利に揃えて13.25%と3.0%の利上げです。コンセンサスの5.0%近い利上げとなると、市場参加者は納得するでしょうが、エルドアン大統領を納得させるのは難しいのではないかということ、またあまりに利上げ幅が少ないと市場参加者が納得しないのではないか、妥協して間をとった3.0%あたりはいかにもありそうです。
そして、その場合の市場参加者は若干の失望とともにトルコリラ売りに動くという流れを予想していますが、どうなるでしょうか。
テクニカルにはいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
何もイベントが無ければ、8月下旬からのレジスタンスライン(ピンク)を上抜けたことで、6月高値と史上最安値との半値戻し14.12をターゲットとしやすい状況です。しかし、個人的には中銀のイベントでの失望を予想して、下降中の抜けたレジスタンスをサポートにしつつも上がりきらない流れを考え、13.00レベルをサポートに、13.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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