トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、安値13.07レベル、高値13.45レベル
〇政策金利は現状維持、後期流動性貸出金利は1.5%引上げで対ドルと対円ではトルコリラ安の動きに
〇首都アンカラで米国人を標的としたテロ発生の恐れから米大使館業務中止との報道もトルコ売り材料に
〇厳戒態勢により週明けから対ドル、対円で安値をつけ、今週も最安値更新の動き
〇今週は12.85レベルをサポートに、13.25レベルをレジスタンスとする流れか
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、利上げを織り込んでの動きであるということを考え「テクニカルなターゲット13.10レベルをサポートに、13.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.07レベル、高値が13.45レベルとなり、ほぼ予想レンジに沿った動きとなりました。
先週のトルコリラは、週前半は政策金利発表を前に予想以上の利上げもあり得るといった思惑もあってトルコリラ買いがじりじりと進んで結果発表待ちとなりました。先週書いた通りですが、10月9日に実施したスワップレートの引き上げ幅が1.5%であったことから、政策金利も1.5%引き上げられ11.75%という見方がコンセンサスとなっていました。そして利上げ発表が予想通りであっても、予想以上であってもいったんは売りと待ち構えていたというのが市場参加者の動きでした。
ところが蓋を開けて見ると、政策金利は現状維持の10.25%、後期流動性貸出金利をそれまでの13.25%から1.5%引き上げて14.75%とするという期待外れなものに終わりました。また中銀声明では「すでに強い金融引き締めの金融状況が整った」と次回11月の政策金利の引き上げにも否定的と取れる発言を行いました。この発表を見てトルコリラは対ドルで7.9792、対円で13.11まで売られ、どちらも週末にはややトルコリラ安の動きとなっての週末クローズとなりました。
市場では、中銀はこれまでは市場を見ていたものの今回はエルドアン大統領の顔色を窺ったのではと陰口を叩かれていますが、中銀に対する失望感に加えて、金曜にアンカラの米国大使館が、米国人らを標的としたテロリスト攻撃と誘拐事件が発生する恐れがあるとの信頼の置ける情報が得られたとして、一時的に業務を停止すると発表しました。
トルコ国内ではその後厳戒態勢が敷かれていることから週明けのトルコリラは対ドル、対円で新安値をつけています。これまでも国内ではS400のテスト、国外ではアゼルバイジャンとアルメニアの戦闘などトルコにとっては悪材料ばかりが目立ってきましたが、今週も史上最安値をどこまで拡大するのかを見極める週となっています。
テクニカルには新値ですからフィボナッチエクスパンションで計算することが妥当です。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
既にチャートの左端の方に隠れていますが、逆N波動は9月10日高値を起点として、9月24日までの下げ、9月25日の戻しと取っているポイントは中途半端なものの、これまでの計算値では結構効いていた3点です。この3点の127.2%(161.8%の平方根)エクスパンションが13.10でちょうど先週ターゲットに到達しました。
次のターゲットは大台の13.00、そして上記N波動の次のエクスパンションのターゲットが161.8%エクスパンションの12.85です。中期的にほぼ最終ターゲットとなる水準でもありますので、一気に同水準まで行くとは思いませんが13円の大台を割れるとストップも出てくるでしょうから、下は深めに見ておいた方が良さそうです。
今週はテクニカルに中期的なターゲットとなる12.85レベルをサポートに、先々週までの安値圏をレジスタンスと考え13.25レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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