「口先介入」も聞かれたユーロの動きに注意(9/3夕)

3日の東京市場は、ドルが小高い。レンジそのものは狭いが、夕方にかけて上値を拡大させる展開だった。

「口先介入」も聞かれたユーロの動きに注意(9/3夕)

「口先介入」も聞かれたユーロの動きに注意

〇ドル円、緩やかな右肩上がりで一時106.35レベルまで値を上げる
〇ADP雇用統計冴えない結果も、NYダウなど主要米株3指数上昇で対円では逆行高の様相
〇国境線問題で対立深まる「印中」、中国モバイルアプリ使用禁止など経済へも問題広がる
〇菅官房長官の正式な出馬表明で、有力3氏による自民党総裁選が事実上スタート
〇英紙FT、複数のECB政策当局者の話として「ユーロ高への懸念」、「口先介入」報じる
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.70-106.70

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、ドルが小高い。レンジそのものは狭いが、夕方にかけて上値を拡大させる展開だった。

ドル/円は寄り付いた106.10-15円を日中安値に、緩やかな右肩上がり。上値も重く限られたが、それでも一時106.35円レベルまで値を上げていた。日経平均株価が200円以上と大きく上昇するなか、為替は小幅高にとどまったものの、それでも「早朝安・大引け高」の様相で見た目以上にドルが強い印象。16時現在では106.25-30円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米ファンダメンタルズ」と「中国情勢」について。
前者は、週末の米雇用統計を前に昨日発表された雇用データ、8月のADP雇用統計はプラス42.8万人。前月を上回るなど、数字そのものは決して悪いものではなかったが、事前予想値がプラス100万人程度とされていたことで、ネガティブサプライズとなった。ただ、NYダウなど主要な米株3指数が揃って上昇したこともあり、結果としてドル売りは限られたどころか、対円などでむしろ逆行高の様相に。
対して後者は、国境線をめぐる問題から対立が深まっている「印中」だが、昨日はインドが「中国のネットサービス大手テンセント・ホールディングスの人気戦闘ゲームなど、新たに118のモバイルアプリ使用を禁止する」と発表。問題が経済や貿易などへと広がりを見せ始めた。また、「米中」についても、ポンペオ国務長官が「中国外交当局高官による米国の大学への訪問などに新たな制限を設ける」ことを表明、こちらも対立激化に繋がりかねないと懸念されていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日、本稿執筆後の東京夕方17時、菅官房長官が自民党総裁選への正式な出馬表明を行った。それを持ち、再三再四指摘しているように、有力3氏による自民党総裁選が事実上スタートしたことになる。動静には注意を払いたいが、状況を見極めつつも、しばらくは小康状態が続くとの見方が有力。そうしたなか、足もと注視されているのは、引き続き米ファンダメンタルズ要因と株価の動き。ただ、後者の株価については、来週初にかけてのNY市場3連休を前に、調整が入る展開を警戒する声も聞かれ始めていた。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相辞任とその後継者人事」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。このあとは米国絡みでも注目要因は少なくないが、同様に指標発表や要人の講演など、材料面も数多いユーロの動きを注視したい。英紙FTが、複数のECB政策当局者の話として「ユーロ高への懸念」、いわゆる「口先介入」を報じていたことも気掛かりだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてレンジ取引。ザックリ言って105-107円が1ヵ月以上続いており、いまだ方向性は乏しい。足もとのレンジ取引からの脱却のタイミングと方向性が引き続き注視されている。
それに対し、ユーロ/ドルは先日2018年5月以来の1.20ドル台を示現したものの、以降は冴えず。基本的なリスクは上向きで、底堅い値動きが続くと予想されるが、まずは1.17ドル半ば、そして1.17ドルを下回ると、さらなる深押しも否定できなくなる。

一方、本日は、8月のISM非製造業総合指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。前述したように、昨日発表された8月のADP雇用統計はネガティブサプライズとなったが市場の反応はいまひとつ。ただ、本日の雇用データへの関心も高く、連日の数値悪化となれば、ドル売りで反応する可能性も取り沙汰されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.70-106.70円。本日東京高値に当たる106.35円レベルが最初の抵抗。上抜ければ106.50-55円、そして106.95円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末に安値105.20円を付けて以降、ドルは下値を少しずつ切り上げている。そして、昨日の欧米時間からは106円を割り込むこともなくなった。弱気派のなかには、まずその傾向の変化を期待している向きも少なくない。

「口先介入」も聞かれたユーロの動きに注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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