「日本の政局」相場、第一波は早くも終了!?(8/31夕)

週明け31日の東京市場は、ドルが小高い。

「日本の政局」相場、第一波は早くも終了!?(8/31夕)

「日本の政局」相場、第一波は早くも終了!?

〇ドル円、日中高値105.80まで上昇後105.30へ下落し行ってこい、夕刻にかけ再びドル買い強まる
〇安倍首相辞意表明を受け後継者人事が本格化、菅官房長官が出馬の意向を示し政策の継続が期待される
〇貿易問題以外で米中対立が先鋭化、日米豪印は高官会合開催など対中包囲網を強化へ
〇今晩は8月のダラス連銀製造業活動指数等注視
〇クラリダFRB副議長やボスティック・アトランタ連銀総裁による討論会の内容にも要注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.30-106.30

<< 東京市場の動き >>

週明け31日の東京市場は、ドルが小高い。「日本の政局」が材料として取り沙汰されているが悲観論は一巡、むしろ足もとは先行きを楽観視している見方が優勢となっている。

先週金曜日、安倍首相が突然の「辞意表明」。それを受け、後任人事をめぐる「日本の政局」に対する不安感が取り沙汰されたが、週末には「菅官房長官が自民党総裁選に出馬の意向」と伝えられていた。
そうしたなか取引が始まったドル/円は105.40円前後で寄り付いたのち、日中高値である105.80円レベルまでドル高が進行。菅官房長官の出馬により、安倍政権下での政策が継続されるとの期待感に繋がるとドルが買い進められていたようだ。そののち、105.30円レベルへと振り落とされ、「行って来い」となるも、ドルは再び上昇。16時現在では105.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「安倍首相辞任にともなう日本の政局」と「中国情勢」について。
前者は、「安倍首相の辞意表明」を受け、後継者人事が本格化スタート。ただ、安倍首相はトランプ米大統領と過去最高ともいえる蜜月関係を築いてきただけに、後継者への負担は重く、金融市場でも強い警戒感が聞かれていた。しかし、菅官房長官が出馬の意向を示したことで、政策の継続性を期待する向きは多くなっており、実際、安倍氏も本日午前に行ったトランプ氏との電話会談で「日米の関係強化に変わりはないので安心してほしい」などと述べたとされている。まだまだ予断は許さないが、このまま不安感の後退ということになれば、ドル売り・円買いの動きも限定的という気がしている。

対して後者は、貿易問題はともかく、それ以外のところで「米中対立」が先鋭化。そうしたなか、中国の王外相がドイツやフランスなど5ヵ国を訪欧し、いわゆる「対中包囲網」の切り崩しにかかっていた。王氏からは「中国と欧州は協力パートナーであり、競争相手ではない」などといったと発言も聞かれている。しかし、そうした反面、日米豪印の4ヵ国は対中包囲網を強化。「10月に高官会合を開催」するだけでなく、読売新聞によると「日豪印はアジアで製品供給網構築目指す方針」とされていた。世界が米国と中国、両サイドへと綺麗に2分割されはじめている感も否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

「安倍首相の辞意表明」に端を発した「日本の政局不安」も、菅官房長官が出馬の意向を示したことで、第一波は早くも終了した感がある。ドル/円も105円を割り込めないまま、ドル売り・円買いの流れは一旦仕切り直しか。とは言え、世論調査で人気の高い石破元幹事長など菅氏以外の人物が勝利を収め、次期首相に選出される可能性もないとは言えない。少し長い目で見た場合、依然として油断は禁物。引き続き要人発言や報道などには注意を払いたい。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相辞任とその後継者人事」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。そうしたなか、少し気掛かりなのは、先でも指摘したように「米中の対立」という単純な図式から「米同盟国と中国同盟国の対立」へと変化している感がうかがえること。「落としどころ」は果たしてどこになるのか、気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、ドルは先週末105.20円まで下落し、月間安値の105.10円に迫るも結局割り込めず。まだ断定はできないものの、このままでは8月相場は105.10-107.05円という2円未満の小変動で終了する公算が高まってきた。ちなみに、その場合、5月の2.10円を下回り、「今年一番の月間最小変動幅」ということになる。名実ともに本日は8月最終日、このあとの欧米市場の価格変動に注目だ。

本日は、8月のダラス連銀製造業活動指数という米経済指標の発表が予定されている。週末に発表される米雇用統計を前に、どれほどの数字となるのか、先週までの好数字発表が続くのかが注視されている。
また、それとは別に、クラリダFRB副議長やボスティック・アトランタ連銀総裁による討論会参加などが実施される見込みで、こちらも当然要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.30-106.30円。先週末に再び割り込んできた移動平均の21日線が位置する106.00-05円が最初の抵抗で、上抜ければ106.30円前後、106.50-55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる105.30円レベル、あるいは先週末安値の105.20円などが目先のサポートに。105円前半のサポートも多く、104円台は目先近くて遠い感もある。

「日本の政局」相場、第一波は早くも終了!?

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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