ドルは弱保ち合い、米中対立の行方を注視(7/27夕)

週明け27日の東京市場は、ドル安・円高。105円半ばを下回るなど、3月16日以来のドル安値を一時示現していた。

ドルは弱保ち合い、米中対立の行方を注視(7/27夕)

ドルは弱保ち合い、米中対立の行方を注視

〇ドル円、105円半ばを下回るなど、3月16日以来のドル安値を一時示現
〇米中対立、豪政府も中国が主張する南シナ海の領有権を否定するなど米国に同調する動き
〇北朝鮮「コロナウイルスに感染したとみられる脱北者が韓国から戻った」と韓国ルート感染を指摘
〇日本、昨日までの4連休明けを受けた観光地などにおけるクラスター発生懸念
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ105.00-106.00

<< 東京市場の動き >>

週明け27日の東京市場は、ドル安・円高。105円半ばを下回るなど、3月16日以来のドル安値を一時示現していた。

先週末は、「米政府による中国領事館の閉鎖通告」に関する報道や発言が相次いだほか、中国サイドによる報復行為も話題に。また、それとは別に、朝鮮中央通信が「北朝鮮が初めて公式に新型コロナの感染を認め、開城市を閉鎖した」と明らかにしたことも物議を醸していた感を否めない。
そうしたなか寄り付いた週初のドル/円は106円前後で寄り付いたのち、日中の高値を示現したがドル高傾向は短時間で終了。以降は、ドル売り・円買いが終日優勢となった。先週末に記録した直近安値105.68円を下回ると、ストップロスを巻き込み、夕方には105.40円前後まで下落する局面も観測されている。16時現在では105.45-50円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中の対立」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、先週末にかけ両国関係を急速に悪化させた「米政府による中国領事館の閉鎖通告」について、ロイターは、米政府高官が「中国が米国内の在外公館を通じスパイ活動などに従事した」としたうえで、「容認できる線を超えていた」と述べ、米国の対応を正当化したと伝えている。それに対する中国サイドの報復行動も観測されると、中国メディアからは「政府が閉鎖を求めた四川省成都にある米総領事館が27日朝までに封鎖された」などと報じられていた。また、それとは別に「豪政府が、海洋進出を進める中国が主張する南シナ海の領有権を否定する書簡を国連のグテレス事務総長宛てに提出した」と、米国に同調する動きをみせたことも話題に。

対して後者は、日米など43ヵ国が「北朝鮮の『瀬取り』は1-5月だけで56回に及ぶ」などとした制裁違反を指摘する文書を安保理の北朝鮮制裁委員会に提出するなか、先で取り上げた朝鮮中央通信報道で「北朝鮮が初めて公式に新型コロナの感染」を認めていた。なお、後者について北朝鮮は「新型コロナウイルスに感染したとみられる脱北者が韓国から戻った」などとし、韓国ルートで感染したと指摘。今後、韓国に対する賠償や支援問題に繋がる可能性も取り沙汰されている。

<< 欧米市場の見通し >>

米ジョンズ・ホプキンス大学の最新集計結果で、世界の新型コロナ感染者がついに1600万人を突破したことが明らかに。その中心は中南米やアフリカだが、米国内での感染も依然として止まらない状況のうえ、日本についても昨日までの4連休明けを受けた観光地などにおけるクラスター発生懸念も取り沙汰されていた。また、米中関係の悪化、緊張の高まりが市場の関心を高めていることも間違いない。取り敢えず、通商問題は別と切り離されている感もあるが、それも今後の動静次第。予断は許さない気もしている。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。東京市場、時間外で取引されているNYダウ先物など米株は取り敢えず底堅く推移していたが、それらが再び崩れるようだと為替市場においてはドル売り機運などが再び盛り上がっても不思議はないかもしれない。

テクニカルに見た場合、本日東京時間に105.40円レベルまでドル安・円高が進行している。これは、年初来安値101.19円を起点としたフィボナッチのサポート105.20円(61.8%押し)に近い。まずは、同レベルの攻防に注目だ。ちなみに、そのレベルを下回るようだと、フィボナッチで見た次のサポートは103円台。具体的には、76.4%押しに当たる103.65-70円か。

一方、本日は、6月の耐久財受注速報や7月のダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。先週発表された米雇用指標の悪化も、足もとのドル安進行の一助になっていた感があることで、今週発表される米経済指標への市場筋の関心も高い。数字如何では、相場が一時的にせよ乱高下をたどる可能性もありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.00-106.00円。上方向は、先週末のドル安値105.68円が今度は抵抗として寄与するのかに注目。上抜ければポジションの偏りもあり、106円台回復を否定できない。
対するドル安・円高方向は、東京安値の105.40円レベルや、105.20円などの攻防にまずは注視。それらを下回ると105円ちょうどがターゲットとして意識されそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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