ドル円、約4ヵ月半ぶり安値圏へ下落。対主要通貨でドルが独歩安
〇ドル円海外時間に105.12まで下落するも小幅反発
〇米中対立激化、米金融緩和長期化観測が背景
〇ユーロドルは一時1.1782まで急伸
〇米消費者信頼感指数など注視、ドル円相場下落がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:104.90ー105.70 (訂正 ×105.90-106.70)
海外時間の為替概況
27日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@米中対立激化を嫌気したドル売り圧力(米経済の先行き不透明感→対主要通貨でドルが独歩安)や、A米FRBによる金融緩和長期化観測(今週開催されるFOMCでの根強い追加緩和期待→ドル売り)が重石となり、米国時間にかけて、3/13以来、約4ヵ月半ぶり安値となる105.12まで下落しました。しかし、心理的節目105円をバックに下げ渋ると、低調な米国債入札を受けた米長期金利の上昇が下支えとなり、引けにかけては持ち直す展開に(ドルのショートカバー)。本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、105.44付近で推移しております。
27日(月)のユーロドル相場は一段高。@EU復興基金案の合意成立を背景とした欧州経済の回復期待(ユーロ買い)や、Aドイツ7月Ifo景況感指数(結果90.5、予想89.3)の良好な結果、B米中対立激化を嫌気したドル売り圧力(米経済の先行き不透明感→対主要通貨でドルが独歩安)、C心理的節目1.1700を上抜けたことに伴うロスカットが支援材料となり、米国時間にかけて、2018年9月以来、約1年10ヶ月ぶり高値となる1.1782まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点では(日本時間4時45分現在)では、1.1750近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、7/1に記録した高値108.17(約3週間ぶり高値)をトップに反落に転じると、昨日(7/27)は一時105.12(約4ヵ月半ぶり安値)まで下落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナ第2波リスク、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。欧米株や原油先物価格の動向や、新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドライン、米中対立激化を巡る続報、米主要経済指標の結果(米7月コンファレンスボード消費者信頼感指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(米国の金融緩和長期化観測を背景としたドル売りと、リスク回避ムードの再燃を背景とした円買いの組み合わせを想定)。
本日の予想レンジ:104.90ー105.70 (訂正 ×105.90-106.70)
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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