ドル高傾向続くか否か、状況注視(7/20夕)

週明け20日の東京市場は、ドルが小高い。一時107円半ばまで値を上げたものの続かず、その後は上げ幅を縮小させている。

ドル高傾向続くか否か、状況注視(7/20夕)

ドル高傾向続くか否か、状況注視

〇ドル円、20日東京市場は107円半ばまで値を上げるも続かずその後上げ幅縮小
〇EU復興基金、3900億ユーロの補助金案をEU強硬派が受け入れる用意
〇米紙WSJ「トランプ政権、在韓米軍削減など複数の選択肢を検討」と報じ物議を醸す
〇新型コロナウイルス世界の感染者数18日からの1日強で30万人以上増加
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.70-107.70

<< 東京市場の動き >>

週明け20日の東京市場は、ドルが小高い。一時107円半ばまで値を上げたものの続かず、その後は上げ幅を縮小させている。

先週末は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果として、「新型コロナウイルスの世界の感染者が初めて1400万人を超えた」ことが明らかになったうえ、当初2日間の予定だったEU臨時首脳会議で話がまとまらず、延長協議すると発表されている。
そうした状況を踏まえたドル/円は前週末のNYクローズと大差ない107円前後で寄り付いたが、結局近いレベルが日中の最安値に。以降は、ゴトー日仲値不足観測などを材料に、一時107円半ばまでドル高・円安が進行した。しかし、仲値決定後は値を崩すと、むしろドルはじり安に推移。107.20-25円まで下落し、16時現在でも同レベルでの推移となり、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「EU臨時首脳会議」と「トランプ発言」について。
前者は、先週末17日に開幕したものの「復興基金」創設をめぐり紛糾。甚大な被害を受け多額の資金を早急に求める南欧と、返済不要の補助金を制限したいオランダなど主に北部の国が対立し、前記したように2日間とされた日程では決着がつかなかった。また、その後も「20日午後に再招集」といった報道も観測されるなど、さらに混迷を深めている感がみられたものの、東京夕方になり、ようやく「3900億ユーロの補助金案をEU強硬派が受け入れる用意」−−などとした前進がみられていたようだ。

対して後者は、トランプ氏当人が述べたものではないが、米紙WSJが「トランプ政権、在韓米軍削減など複数の選択肢を検討」と報じ物議を醸すなか、別途自身の発言が伝えられると思惑を呼んでいた。幾つか例を挙げると、「新型コロナ対策として、全米でマスク着用を義務化する考えを否定」、「新型コロナはある時点で消える」、「メディアの世論調査はフェイク、バイデン氏に支持率で負けていない」、「米大統領選の結果をまずは見る必要がある」などと述べていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

懸念要因のひとつとなっていたEU臨時首脳会議における「復興基金」創設は、なんとかメドがたったようで、それを受け、たとえば東京時間に安寄りしたユーロ/円も緩やかな右肩上がり。「寄り付き安・大引け高」の様相をたどり、結果として80ポイント程度となかなかの上昇を記録している。このあとさらに好感したユーロ高が進行すれば、ドル/円も連れ高推移となるなど、一定の影響を与える可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。後者についてはWHOが連日のように、「一日当たりの新規感染者が過去最高を記録」と発表。事実、先で指摘した米ジョンズ・ホプキンス大学の集計結果では18日に「新型コロナウイルスの世界の感染者が初めて1400万人突破」したものが、本日早朝(日本時間午前3時時点)では同1435万人と、わずか1日強で実に30万人以上も増加していた。引き続き予断の許さない状況が続きそうだ。

テクニカルに見た場合、過去1週間以上もドルの上値を抑制し続けていた107.40-45円を本日東京で上抜けた。一時107円半ばまで上昇しており、これを素直に解釈すればリスクはドル高方向にバイアスか。
ただし、ドルは目先高値をつけたのち元のレンジへと押し戻されており、いわゆる「しっかり抜けた」とは言えない状況だ。ヒョッとすると、これまでのレンジを上方向にやや広げただけ、つまりは「ダマシ」の可能性も否定できないのかもしれない。

本日は目立った米経済指標の発表は予定されていない。また、それ以外でも全般的に新規材料は少なめだが、IBMなどによる決算発表やポンペオ米国務長官の訪英などには注意を払いたい。ちなみに、後者だがポンペオ氏は21日まで滞在する予定とされ、そのなかでジョンソン英首相やラーブ外相と会談する見込みだ。
また欧州情勢、前段で何度も指摘してきた「EU復興基金」の行方にも引き続き要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.70-107.70円。上方向は、本日東京高値に当たる107.50-55円の攻防に注視。しっかり抜ければ、今度こそ直近高値107.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含め時間足など短期ベースのサポートとなっている106.90-95円レベルが一応の下値メド。下回れば7月安値の106.64円が意識されそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る