ドル円、欧米の財政支援策に対する期待感を背景に底堅い動き(7/21朝)

20日(月)の外国為替市場でドル円は底堅い動き。

ドル円、欧米の財政支援策に対する期待感を背景に底堅い動き(7/21朝)

ドル円、欧米の財政支援策に対する期待感を背景に底堅い動き

〇ドル円米国のパンデミック対策期待に107円台前半で底堅く推移
〇ユーロドルは復興基金の補助金部分減額合意に1.14台前半に反落
〇ドル円テクニカル、ファンダメンタルともに上値の重さ警戒される
〇本日の予想レンジ:106.90ー107.70

海外時間の為替概況

20日(月)の外国為替市場でドル円は底堅い動き。@米政府によるパンデミック対策第4弾成立への期待感や、Aムニューシン米財務長官による「さらに兆単位の新たな刺激策を始める」との発言、B上記@Aを受けた米主要株価指数の持ち直し(リスク選好ムード→クロス円上昇→ドル円連れ高)、C米長期金利の上昇等が支援材料となり、米国時間午後にかけて、107.35まで上昇しました(但し、東京時間朝方に記録した日通し高値107.51は抜けられず)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、107.30近辺で推移しております。

20日(月)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@欧米株の持ち直しを背景としたリスク選好ムードの高まり(対ユーロでのドル売り・円売り)や、AEU復興基金(欧州連合による復興基金協議は4日目に突入)合意への期待感が支援材料となり、欧州時間朝方には、一時1.1468まで上昇する場面も見られました。しかし、B上記Aを巡って、総額7500億ユーロの基金のうち、返済が不要な補助金額が当初の5000億ユーロから3900億ユーロへ減額された妥協案が示されると反落に転じ、本稿執筆時点では(日本時間5時00分現在)では、1.1444近辺まで小緩む展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、7/1に記録した高値108.17(約3週間ぶり高値)をトップに反落に転じると、7/15には一時106.67まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、一目均衡表雲下限及びボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(昨日は東京時間朝方に一時107.51まで上昇するも、107円台半ば付近では戻り売り圧力が根強く、伸び悩む展開に)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国。※イールドカーブ・コントロール導入議論を続ける米国と、7/15の日銀金融政策決定会合を経て追加緩和観測が後退した日本)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(外交リスクの高まり)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナ第2波リスク(世界的な感染再拡大)、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。欧米株や原油先物価格の動向や、新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドライン、米中対立激化を巡る続報、欧米の財政支援策の行方、本邦主要経済指標の結果(本邦6月消費者物価指数)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(欧米の財政支援策は織り込み済みであり、一巡後の反落に要警戒)。

本日の予想レンジ:106.90ー107.70

ドル円、欧米の財政支援策に対する期待感を背景に底堅い動き

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