コロナがリスク要因だが為替はレンジ継続か(7/15夕)

15日の東京市場は、引き続き積極的な動意に欠ける動き。107円台前半の20ポイントにも満たないレンジ取引で、さながら横ばい症状だった。

コロナがリスク要因だが為替はレンジ継続か(7/15夕)

コロナがリスク要因だが為替はレンジ継続か

〇ドル円、15日東京市場は107円台前半の20ポイントにも満たないレンジ取引
〇新型コロナの感染第2波懸念も、新型ワクチンへの期待高まる
〇トランプ米大統領が署名し「香港自治法」が成立。米中対立激化
〇107.10を割り込めば先週末に記録した106.64円再び意識
〇欧米時間のドル円予想レンジ106.70-107.50

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場は、引き続き積極的な動意に欠ける動き。107円台前半の20ポイントにも満たないレンジ取引で、さながら横這い症状だった。

ドル/円は寄り付いた107.15-20円を日中安値として底堅かったものの、上値も重い。終日を通し揉み合い商状が続く展開となった。日経平均株価は終値ベースで350円を超える大幅高、新型コロナウイルスの感染拡大が目につく東京都が警戒レベルを最上級の「もっとも深刻な感染が拡大している」に引き上げたと発表したものの、ともに影響は限られている。16時現在でドルは107.20-25円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国のファーウェイ排除」と「米中の対立」について。
前者は、英国が第5世代(5G)移動通信システムから、中国通信機器大手ファーウェイ製品を排除すると発表したことが金融市場でも話題に。当初英国は、限定的な活用を容認する方針だったが、最終的に米国に歩調を合わせた格好となった。それに対してファーウェイは不満を表明。同社の英国法人が「決定排除の再考を求める」とした声明を発表している。なお、今回の英決定について、米国務長官は「歓迎する」などと評価するコメントを発していたようだ。
対して後者は、14日にトランプ米大統領が署名したことで「香港自治法」が成立。そののち、トランプ氏は「今後は香港を中国本土と同様に扱う」とも述べていた。また、香港問題とは別にトランプ氏は別途「中国との第2段階貿易協議に関心はない」、「習中国国家主席と会談する予定はない」−−とも述べていたという。その反面、中国サイドは商務省から「新彊めぐる米政府の警告が世界の供給網の不安定化に繋がっている」などとし、強烈な不満と皮肉が聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

先で取り上げたような、東京における「新型コロナの感染第2波」も予断を許さないが、やはりもっとも注意すべきは米国の状況だ。先日、トランプ氏が初めて公の場にマスク姿で登場、マスク着用啓蒙活動に一役買っていたが、すでに遅きに失した感は否めない。また、そんななか、昨日は「ロサンゼルスなどの学校再開見送りは間違った決定」とした強気のコメントも引き続き聞かれていたようだ。一方で、コロナ治療薬への期待感なども強く、それが米株やドルの下支えとなっているものの、開発にはかなり長い時間が必要だ。現在のような「期待感」だけで、どこまで相場が押し上げられるのか疑問もなくはない。

材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「雇用を含めた米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。後者ももちろん気掛かりなのだが、個人的には前者、昨日のトランプ発言が引っ掛かっている。「取り敢えず第1段階の合意をしっかり履行してくれ」という意味なのかもしれないが、「第2段階の米中貿易協議」について関心がないなど、必要以上に醒めた言い回しになっていないだろうか。中国サイドの反応を含め、続報が注目される。

テクニカルに見た場合、引き続きレンジ取引。先週末にトライを失敗した106.64円をボトム、107.80円を目先トップにした1円強のレンジを形成している感がある。また、期間をさらに狭め、過去1週間程度とすれば、ドルの上値は切り下がり107.40円レベルとなりそうだ。ともかく、形成しているレンジ放れにまずは注目されているものの、いましばらく次方向性を探る展開をたどるといった声も少なくない。

本日は、7月のNY連銀製造業景況指数や6月の米鉱工業生産、あるいは米地区連銀経済報告などが発表される予定となっているほか、ゴールドマンサックス・グループなどによる決算発表も行われる見込みで、市場の注目度は高い。
また、フィラデルフィア連銀総裁によるオンライン討論会参加、OPECプラス会合、カナダ中銀による政策金利発表などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.70-107.50円。上方向は、移動平均の21日線も近くに位置する本日東京高値にあたる107.30円前後をめぐる攻防にまずは注目。超えれば昨日高値の107.42円、そして直近高値の107.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期的に直近だけで数回下げ止まっている107.10円レベルが最初のサポートか。割り込むと、先週末に記録したドル安値106.64円が再び意識されそうだ。

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