各種材料とともに、需給要因にも要注意
〇106円半ばを挟んでのレンジ取引、積極的な動意欠く
〇ソフトバンクグループによる保有株売却にともなう大規模円転からの需給は要注意
〇材料的には引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」を警戒
〇ドルは106円前後で目先底入れし反発に転じる可能性も
〇今晩は指標より要人発言要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジ、106.20-107.20
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、レンジ取引。106円半ばを挟んだ25ポイント程度の一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円は106.45-50円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。株価の動きや朝鮮半島情勢などをにらみつつも売買は手控えムード。106円半ばを挟んだ狭いレンジ取引、一進一退に終始している。16時現在では106.60円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、市場の関心も高かったNZ中銀の政策金利発表は、大方の予想通り「据え置き」。そのため、発表前後こそ乱高下をたどったものの、結局69円挟みというレンジ内にとどまっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米中貿易合意」について。
前者は、前日東京時間に、脱北者団体から「22日夜に南北境界線から北朝鮮に向けてビラを散布した」との発表がなされていたが、そののち韓国統一部が「ビラは北に届いていない」と発表。作戦は失敗に終わったようだ。ただ、その後も、朝鮮中央通信が「朝鮮人民軍が17日に表明した4つの軍事行動計画を保留した」と報じたほか、前日に北朝鮮が「非武装地帯に再設置開始」とされた宣伝放送拡声器について、聯合ニュースが「一部を撤去」と指摘するなど、引き続き一挙手一投足に関心が集まっていた。
対して後者は、前日に「ナバロ発言」が曲解(?)され、市場で思惑を呼んだ「米中貿易合意」に関連する発言が、その後も相次ぐ。たとえば、米財務長官は「中国が貿易合意で義務を履行すると予想している」、米NEC委員長も「米中通商合意が継続していることは疑いの余地がない」とコメントしていた。ただ、若干気になるのは中国サイドの反応で、この件については基本的に沈黙を貫いていることだろう。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の欧米時間は、予想外の「ドル安・円買い」となり、東京ランチ時のドル高値を起点とすると、合計で1円以上も一時値を下げている。その背景として、「米中対立」などを挙げる声も聞かれるが、別途有力視されているのが需給要因、具体的には「ソフトバンクグループによる米携帯電話大手TモバイルUSの保有株売却にともなう大規模円転思惑」が取り沙汰されていた。後者の需給要因については、株式売却分が総額200億ドル規模にも及ぶこともあり、本日以降も同様の思惑には引き続き要注意。
材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒だろう。うち、後者部分について米NEC委員長は「米国に第2波はやってこない」と述べ、一見強気の見通しを示したかと思いきや、実は「いまだ第1波から抜け出せていない」と、むしろ弱気の認識を示していた。ともあれ、米政府高官がそうした認識にもかかわらず、連日のように史上最高値更新をたどる米ナスダックの動きに違和感を覚える声なども聞かれている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間に、先週末からの短期サポート106.58円をしっかり割り込み、5月安値105.99円に接近するも下回れず。
チャートを見ると、以前に指摘した「5月安値を中心としたシンメトリー(左右対称形)を形成」は失敗した感があるものの、今度は「6月高値109.85円を中心としたシンメトリーを形成」しつつあるようにも見え始めた。仮に、この見方が正しいとすれば、ドルは106円前後で目先底入れし、反発に転じる可能性もある。
本日は、4月の住宅価格指数など幾つかの米経済指標が発表される予定だが、市場の関心はそれほど高くない。基本的にはノーインパクトか。
ただ、米財務省による5年債の入札や、エバンス・シカゴ連銀総裁やブラード・セントルイス連銀総裁がオンライン討論会に参加する予定となっている。要人発言には注意が必要。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.20-107.20円。昨日東京高値にあたる107.22円の攻防にまずは注視。上抜ければ107.63円が再び意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値106.35-40円が最初のサポート。割り込むと、昨日安値106.08円や105.99円などがターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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