トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、前週安値をサポートに3月と5月の値幅の61.8%戻しをレジスタントして「15.80レベルをサポートに、16.40レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が15.53レベル、高値が16.19レベルと思ったよりもトルコリラ安に動く一週間となりました。
先週のトルコリラは、週初からドル円で円高の動きとなったことを受け月曜東京前場を高値に急速に値を下げる動きから始まりました。その間ドルトルコリラはもみあいとなっていましたが、ドル円をはじめ主要なクロス円同様にFOMCに向けてのイールドカーブ・コントロール導入の思惑がドル売りとなり、更には木曜のダウ急落と週末に向けての買い戻しとほぼドル円の動きに沿った一週間となりました。
トルコリラ独自の材料としては、経済活動再開が着実に進み、トルコ国内での人の移動だけでなく他国との人の移動も認めるため国境封鎖を12日に解除し観光客の入国を認める動きを見せました。トルコにとっては観光収入も重要なので景気回復への第一歩ではあるのですが、それよりも一足先に国内の人の移動も自由化していたことによると思われる新型コロナウイルス第二波の懸念が先週後半から早くも出てきました。
以下のチャートはトルコ国内における感染者数合計と前日比(新規感染者数)です。
これを見ると、6月11日までは低位安定していた新規感染者数が12日から再び明らかに増加してきていることがわかります。国内だけでなく海外との人の移動の自由化が今後どのような影響が出てくるのかは諸外国も見守っているところであるとは思いますが、ドルトルコリラも以前の防衛ラインよりもドル高・トルコリラ安の水準に上がってきたことと合わせてトルコリラの悪材料となりそうです。
また、トルコ国内の材料はそれ以外にはあまり注目すべきものはありませんが、米国を中心とした株式市場の動きは今週も気になります。先週見られたようなリスクオフの動きが続くとどうしても新興国通貨は売られやすくなりますし、クロス円も先週初を境に明らかに前週までの上昇に対する調整相場となっていますので、地合いとしては今週も戻り売りが出やすい流れとなりそうです。
テクニカルにはどうか、いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
先週の週初からのサポートライン(ピンク)を割り込む下げで再び16円の大台が遠ざかった感じがしますが、現状では大台の手前15.90レベルでは既に戻り売りが出やすいと考えてよいでしょう。いっぽうで下値ですが、こちらは5月7日安値14.62と6月2日高値16.25の半値押しが15.44となっていて、現在のサポート兼ターゲットとなりやすい水準です。
今週のトルコリラ円は上記半値押しの水準と重なる15.45レベルをサポートに、15.90レベルをレジスタンスとする一週間を見ておくこととします。
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.06.16
トルコリラ円見通し 6月8日からの大幅下落一服で15.70円を挟んだ持ち合い(20/6/16)
トルコリラ円も15.60円台ではしっかりして戻り高値を試しつつある印象だが、15.80円手前では抵抗感も見られ、下げ一服ではあるが上値も重いようだ。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.06.15
トルコリラ円見通し 5月7日からの上昇に対する半値押し手前で下げ渋る(20/6/15)
6月12日朝安値からはやや戻して12日夜には15.74円を付け、日足は5日ぶりの陽線となった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。