トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、トルコリラは対ドルでの上抜け(トルコリラ安)を想定し「大台15.00レベルをサポートに、15.70レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が15.14レベル、高値が15.43レベルと、史上最安値を更新はしたものの思ったよりは動きの少ない一週間となりました。
先週のトルコリラは、週初からドルトルコリラではドル高・トルコリラ安、ドル円ではドル安・円高が先行したことからトルコリラ円も安値を更新してのスタートを切りました。材料としては新型コロナウイルスの影響による国内経済の減速懸念が最大の悪材料ではありますが、週半ば以降は株式市場に売りが入り、それまでのリスクオンからリスクオフへと転じる動きの影響も大きかったと言えます。
リスクオフ相場では株式同様に新興国通貨にも売りが入りやすく、ドルトルコリラは7.0の大台を上抜け、週末に向けて値幅は伴わないものの一段安の地合いでの週末クローズとなり、対円では15円の大台を視野に入れてくる流れとなってきました。
今週はトルコリラ取引が活発な東京勢がゴールデンウィークで連休となることもあり、基本的には動きが鈍くなりやすいのですが、いっぽうで参加者減少による思いがけない動きに繋がることもあるため注意は必要です。トルコ国内の材料としては本日CPIとPPI、製造業PMIの発表はありますが、どれも大きな材料とはなりにくく、指標的には週末の米国雇用統計の影響のほうが大きいと言えそうです。
また一時期急増が懸念されていた新型コロナウイルスの感染者数もここに来てペースが鈍ってきていて全世界の感染者数のカーブに比べてトルコの感染者数のカーブが緩やかになってきていることから、危機は脱したというところでしょうか。下の感染者数のグラフでは、青が世界全体(右軸)、オレンジがトルコ(左軸)です。
トルコ(オレンジ)と世界全体(青)の新型コロナウイルス感染者数
引き続き外出制限等が続いているため経済への悪影響は避けられないものの、早期に活動再開のめどをつけるためには他国同様ですから、逆に今後感染者のカーブに悪化(再上昇)が見られなければ、感染者数を材料にしたトルコリラ売りは出にくく、目先はテクニカルなトルコリラ売りが中心となってきそうです。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
トルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円 四時間足
上段のトルコリラ円も中段のドルトルコリラも緩やかなトルコリラ安トレンドを継続していることがわかりますが、トルコリラはここ2週間の平行線で示した下降チャンネルの中での動きを続けやすく、今週は一度大台15円を下回る動きになってくると考えられます。
ポジション的にもじり安の動きの中で目立った変化は無く、ある程度の買いポジションが残ったままでのゴールデンウィークという点は少々気になるところではあります。今週は14.90レベルをサポートに、15.40レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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