ドル円、107円台を維持できず反落。米中対立懸念を通じたクロス円売りが重石(5/5朝)

4日(月)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、107円台を維持できず反落。米中対立懸念を通じたクロス円売りが重石(5/5朝)

ドル円、107円台を維持できず反落。米中対立懸念を通じたクロス円売りが重石

海外時間の為替概況

4日(月)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@外出規制の一部緩和(米オハイオ州やフロリダ州)を受けた投資家心理の改善期待や、A新型コロナウイルスを巡る米中対立激化懸念(リスク回避のドル買い)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、一時107.07まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、B上記Aを受けたドル高→クロス円売り→ドル円連れ安への波及や、C米・3月製造業新規受注(結果▲10.3%、予想▲9.2%)の冴えない結果(過去最大落ち込み)、D本邦大型連休期間中のフラッシュクラッシュへの警戒感が重石となり、米国時間午後にかけて、安値106.64まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、106.74近辺で推移しております。

昨日(4日)のユーロドル相場は軟調な展開。@ユーロ圏・4月製造業PMI改定値(結果33.4、予想33.6)の冴えない結果(ユーロ売り)や、A新型コロナウイルスを巡る米中対立激化懸念(リスク回避のドル買い)、B先週末金曜日に200日線(1.1036)を上抜けられなかったことに伴う見切り売り(5/1高値1.1019)が重石となると、米国時間午後にかけて、安値1.0896まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.0907近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/30に記録した高値107.51をトップに反落に転じると、昨日は一時106.64まで下落しました。この間、一目均衡表雲上限突破に失敗した他、一目均衡表転換線の下抜けに成功するなど、テクニカル的に見て、「上値は重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は106.70近辺に位置する一目均衡表雲下限を明確に下抜けられるか否かに注目が集まります(同水準の下抜けに成功した場合、強い売りシグナルを表す三役逆転が成立するため)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米経済指標は軒並み悪化)、B米中対立再燃リスク(トランプ米大統領は昨日、「中国が米製品を購入しなければ貿易協定も終わらせる」と発言、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大長期化懸念(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化(5/19の納会に向けて再び下落するリスクを警戒)、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言延長に伴う実体経済への更なる下押し圧力)、H本邦大型連休期間中のフラッシュクラッシュ懸念など、ドル売り・円買いを連想させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。米FRBによる量的緩和継続(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(デフレ懸念台頭→円の実質金利低下→円高)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(※本日は豪中銀の政策金利発表や、米ISM非製造業景況指数に注目。また、米中対立を巡る報道を通じたクロス円売り→ドル円連れ安への波及経路や、ゴールデンウィーク期間中の流動性低下の隙をついたフラッシュクラッシュリスクにも要警戒)。

本日の予想レンジ:106.20ー107.00

ドル円、107円台を維持できず反落。米中対立懸念を通じたクロス円売りが重石

ドル円日足

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