ドル円 基本はレンジ取引継続か、下限割れにも注意(20/5/4)

週明け4日のアジア時間は、レンジ取引。

ドル円 基本はレンジ取引継続か、下限割れにも注意(20/5/4)

ドル円 基本はレンジ取引継続か、下限割れにも注意

<< アジア時間の動き >>

週明け4日のアジア時間は、レンジ取引。日本や中国の休場もあってか積極的な売買は見送られた格好で、106円後半での一進一退をたどっている。

先週末には、これまで「重体説」も飛び交っていた北朝鮮の金委員長が20日ぶりに姿を現したことが映像ベースでも確認されたほか、「コロナ起源説」をめぐりトランプ米大統領が「責任論と絡め、対中関税の引き上げも検討する」考えを示すなど、一段の強硬スタンスで挑むことが明らかに。
そうした状況下、ドル/円は106.75-80円と前週末NYクローズよりも、若干のドル安・円高水準で寄り付いている。しかし、下押し圧力は続かなかったばかりか、東京休場も影響したようで全般的に動意が乏しい。106.65-95円といった30ポイント程度のレンジ取引にとどまると、16時現在ではほぼ寄り付きレベルの106.80円前後で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「新型コロナをめぐる米中の対立」について。
前者は、朝鮮中央通信が「北委員長が工場完工式に出席」と文字ベースで伝えたことに続き、朝鮮中央テレビは、その様子を映像で報じていた。それらを受け、トランプ氏からは「元気な姿を見られて嬉しい」と歓迎する旨の発言も聞かれている。そんな一連の措置を受けて「重体説」はフェイクだったとの見方が強まっているものの、「映像加工説」や「影武者説」なども別に取り沙汰されており、火種そのものは依然としてくすぶっている状況だ。また、「南北境界線付近、北朝鮮が韓国に対し銃撃」との報道も観測され、思惑を呼ぶ。

対して後者は、「コロナ起源説」をめぐる米中の対立がさらに加速している。トランプ氏から前述したような発言が聞かれたほか、米紙WSJは「米教育省が武漢研究所と関係の深いテキサス大学に対し、コロナ問題で調査開始」と報道。また、米NEC委員長は「コロナ流行は中国に責任がある」、米国務長官からも「コロナの武漢起源説に多数の証拠がある」とのコメントが発せられていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

依然として新型コロナウイルスに関するニュースが市場の関心を集めているが、ここにきては先で取り上げた「起源説をめぐる米中の対立」と「治療薬をめぐる値動き」への関心が高まっている。うち後者については、米食品医薬品局が治療薬候補のひとつである「レムデシビル」に緊急使用を許可したことが明らかとなり、実際の医療現場で使用が開始されることになった。今後の動きに注目で、高い効果を得られることが改めて示されるようだと、好感した動きからドル買い要因となる可能性もある。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として多い状況だ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの様々な話題となる。そのうち感染拡大については、多くの欧米諸国などでピークアウトしつつある感を否めないものの、足もとの日中長期連休ファクター、とくに中国労働節連休動向は気掛かりだ。陸地で隣接するロシアにおいて、「一日の増加数では過去最大を記録」といった報道も観測されるような状況下、「第2波の襲来」にも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、リスクという意味では若干下向きのイメージだが、下値もしっかりとは攻め切れず。過去1週間程度は107円プラスマイナス60銭程度のレンジを形成している感を否めない。まずは、そんな1.4円レンジをめぐる攻防が注視されており、仮にレンジ下限を下回ると106円割れも否定出来なくなりそうだ。

本日、3月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などの米経済指標が発表される予定となっている。それらももちろん要注意だが、週間を通して注視されているものは、やはり週末発表の4月雇用統計か。ちなみに、そのうち市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数については、驚異の「マイナス2200万人」といった事前予想もあるとされる。この数値では、積極的にドルを買い進むのもなかなか難しいのかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.30-107.30円。ドル高・円安方向は、先週末NY戻り高値の107.05-10円が最初の抵抗。超えた場合には、107円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値である106.37円前をめぐる攻防にまず注目。割り込んだ場合には106円割れ、次の大きなサポートである105円前半に向けた続落も。(了)

ドル円 基本はレンジ取引継続か、下限割れにも注意

ドル円15分足

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