ドル円 再び実弾介入と思しき動き観測もドル高継続(5/2夕)

東京市場は落ち着かない乱高下。昨日NY終盤に当局の実弾介入が疑われる動きがあり、それを引きずる格好となった。

ドル円 再び実弾介入と思しき動き観測もドル高継続(5/2夕)

再び実弾介入と思しき動き観測もドル高継続

〇ドル円、昨日NY終盤(本日早朝)に2回目の実弾介入か、157円台から153円前半へ4円超の下落
〇その後156.30レベルまで上昇するも上値重く、16時現在155.25-30で推移
〇FOMCの結果は予想よりも強気との見方が優勢
〇明日の米雇用統計発表を前に、本日は米貿易収支、新規失業保険申請件数等の発表予定
〇指標悪化傾向が如実となれば、ドル売り要因となるか
〇ドル高・円安方向、156.30レベルの攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、短期のチャートからすると154円前半はなかなか底堅そう
〇欧米時間予想レンジ:154.20-156.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場は落ち着かない乱高下。昨日NY終盤に当局の実弾介入が疑われる動きがあり、それを引きずる格好となった。

ドル/円は154円半ばで寄り付いたのち、しばらくは冴えない値動き。しかし、ドルが再び買われ始めると、日中高値である156.30円レベルまで値を上げている。ただ上値も重く上げ渋ると、ドルは徐々に軟化。1円強の下押しを経て、16時現在では155.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「米ファンダメンタルズ」について。
前者は、ドル/円が一時160円台を示現した4月29日、当局が5.5兆円規模の「覆面円買い介入」を実施したと見られるなか、昨日のNY終盤・日本時間でいえば本日早朝に再び実弾介入と思しき動きが観測され物議を醸していた。ドル/円は157円台から153円前半へと4円を超える下落をたどっている。なお、4月29日のケースと同様に円買い介入が実際に実施されたか否かはわからず、答え合わせは今後の持ち越しに。そして神田財務官は、本日も「介入について話できることはない」と述べていたようだ。

対して後者は、昨日発表された米経済指標はまちまちの内容。たとえば、4月製造業PMIは予想を上回ったものの、同ISM製造業景況指数は予想よりも悪化する内容となっていた。そうしたなか、米FOMCの結果が発表され、政策金利は予想通り「現行目標水準での据え置き」に。また、パウエルFRB議長は「次の動きが利上げとなる可能性は低い」としつつ、「利下げ開始には物価上昇ペースが鈍化していることを示すさらなる証拠が必要」との発言が聞かれており、予想よりも強気の内容だったといった見方が優勢か。とは言え、FOMCの結果発表後に、前段で取り上げた日本当局の円買い介入が観測されており、「全部持っていかれてしまった」感がある。

<< 欧米市場の見通し >>

先で取り上げたように、注目の米FOMCの結果発表は予想よりも強気だったとの見方が広がるなか、日本当局の円買い介入が観測され、為替市場は逆に大幅なドル安・円高が進行。これについて日経新聞では「投機筋、FOMC直後で油断」と報じていた。しかしながら、下落したのちのドル反発力は極めて強い。実際、本日早朝に153.01円まで下落したのち、本日東京高値は156.30円レベルと、3円以上も値を戻している。介入で下げたところは絶好の買い場という認識なのかもしれない。
昨日は米FOMCの結果が発表され、予想よりも強気だったとの見方が優勢ながら、一方ここ最近発表される米経済指標でやや冴えないものが多くなっていることが、気掛かりではある。本日も発表される米経済指標には一応要注意。またそれとは別に、引き続き当局の実弾介入にも注意が必要だろう。ちなみに、本日付け日経新聞では「5兆円規模の介入ならあと8回実施される(本日早朝分を含む)」−−と推計していたが、果たして実際のところはどうなのだろうか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は4月29日だけで5.7円も変動したことに続き、昨日も約5円の変動を記録している。やはり、当局の実弾介入と思しき動きが観測されれば、大きな変動になることは間違いない。短期的には155-156円あたりを中心に、しばらくは落ち着く展開をたどるのか、それとも再びドル高へと振れ、当局の実弾介入と対峙するのか、どちらをたどるのかがまずは注目されている。

本日は米経済指標として、3月の貿易収支や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定だ。明日に注目の米雇用統計発表を控えるなか、ここ数日発表される指標はまちまちながら冴えないものも決して少なくない。悪化傾向が如実となれば、ドル売り要因にもなりかねないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.20-156.50円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる156.30円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ昨日下げ幅についてフィボナッチで考えた156.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日瞬間風速的に153円台前半を付けたものの戻りも早く、短期のチャートからすると154円前半はなかなか底堅そう。移動平均の21日線も154円台までレベルを切り上げており、こちらもサポートとして意識されそうだ。

再び実弾介入と思しき動き観測もドル高継続

ドル円日足


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