東京市場のドルは156円前後での小動き、様々な思惑錯綜で上下に振れやすい地合い(24/5/2)

東京時間のドル・円は、2回目と思われる日本当局による円買い介入が漂うなか、大型連休入りなどに伴い積極的な売買は手控えられ、156円前後の小動きとなった。

東京市場のドルは156円前後での小動き、様々な思惑錯綜で上下に振れやすい地合い(24/5/2)

東京市場のドルは156円前後での小動き、様々な思惑錯綜で上下に振れやすい地合い

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、2回目と思われる日本当局による円買い介入が漂うなか、大型連休入りなどに伴い積極的な売買は手控えられ、156円前後の小動きとなった。

昨晩の海外時間では、4月ADP雇用統計が予想を上回る伸びとなったが、3月JOLT求人件数、4月ISM製造業景況指数や3月建設支出が予想を下回り長期金利低下に伴いドル上昇は一服。

その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が、米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り6会合連続で政策金利据え置き決定を発表。最近数カ月、インフレの一段の改善が欠如していると指摘したものの、保有証券の縮小ペースの予想以上の減速が発表されたほか、パウエル議長が会見で、引き続きインフレ低下を予想していることや次の行動が利上げになる可能性を否定したためややドルが売られた。

東京時間5時9分頃、日本当局の円買い介入と思われるドル売り円買いが入り、153円03銭までドル安が加速。ドル売り一巡後は155円台まで値を戻したが、2回目と思われる日本当局の介入を受けて、ドルは押し下げられる格好となった。

東京市場では、売り一巡後のドルを拾う動きが強まったことから156円台まで値を戻した後は小動きとなった。日本が大型連休入りすることで、株式市場、為替市場ともに、日本の投資家は積極的なポジション取りを手控えられている様子。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:155円44銭
高値:156円29銭
安値:155円27銭
終値:155円70銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:166円58銭
高値:167円39銭
安値:166円31銭
終値:166円86銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:101円47銭
高値:102円05銭
安値:101円31銭
終値:101円85銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:194円81銭
高値:195円76銭
安値:194円51銭
終値:195円16銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38004円01銭
高値:38355円60銭
安値:37958円19銭
終値:38236円07銭(前日比−37円98銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

17時00分、欧、4月ユーロ圏製造業PMI(確報値)、前回:45.6、市場予想:45.6
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:178.1万件、市場予想:179.0万件
21時30分、米、3月貿易収支、前回:−689億ドル、市場予想:−699億ドル
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:20.7万件、市場予想:21.0万件
23時00分、米、3月製造業新規受注、前回:1.4%、市場予想:2.1%
23時00分、米、3月耐久財受注(確報値)(前月比)、前回:2.6%、市場予想:2.6%
23時00分、米、3月耐久財受注(確報値)(前月比)(コア)、前回:0.2%、市場予想:0.2%

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

東京時間未明のドル急落は、一方的な値動きと値幅を考慮すると、日本当局による円買い介入と思われる。時間帯は東京時間5時であることから、主戦場がニューヨーク市場からオセアニア市場に切り替わり参加者がやや少なくなる絶妙なタイミングだったと考える。

4月29日の際は「160円より上は許容しない」という意味合いが強かったと推測していたが、今朝がたは、パウエルFRB議長のハト派発言に便乗した円買い介入だったとようだ。今後は、日本当局が投入した介入金額が大きなポイントとなるだろう。投入した金額次第では、今後、介入を行いにくくなる恐れもあるからだ。

米財務省が提出する為替政策報告書に基づき、米議会が為替相場を不当操作している(為替操作国)と認定する可能性がある。一部では「GDPの2%」という水準があることから、日本は12兆円ほど(GDPを600兆円)が介入の上限と試算される。4月29日に5兆円超を費やしたとの市場見通しから2日の実施状況次第では、「実弾」不足を見透かした投機筋が円売りポジションを積み上げるといった展開もあろう。

ちなみに、「為替操作国」と認定されると、関税による制裁などネガティブな話が貿易面で発生するケースが多いようだ。経済的なつながりの強い米国との貿易面での関係悪化は、企業業績のみならず金融政策など様々な面で影響が出る可能性があるので、頭の痛い話となりそうだ。5月2日の金額等がある程度判明するのはデータ公表の連休明けとなる。今晩の海外時間も含め連休中は様々な思惑が錯綜することとなるだろう。今晩の上値メドは156円50銭、下値メドは154円50銭とする。

東京市場のドルは156円前後での小動き、様々な思惑錯綜で上下に振れやすい地合い

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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