ドル円156円近辺に反発、今朝の急落の約2/3を戻す
2日午前の東京市場で、ドル円は急落からの反発基調。FOMC後の介入と思しき動きにNY終盤に153.04まで急落したところから切り返し、朝方(6:00)、激しい値動きの中154.58レベルで取引の始まったドル円は、序盤、一旦154.25まで値を下げる場面もありましたが、その後は、ほぼ一方向に値を戻す動きとなり、一時156.28の高値をつけた後、上昇一服。東京時間正午現在は155.76で取引されています。
日経平均株価は、昨晩米市場でナスダック総合指数が下落した流れを受け、ハイテク銘柄等が主導して売りが先行、下げ幅は一時300円を超えました。その後は銘柄別に選別的な買い戻しが入り、前日終値を回復。前日終値を挟んでのもみあいとなり、25円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場で注目された米FOMCでは、予想通り政策金利は据え置かれました。内容的には声明文冒頭に「ここ数ヶ月は2%のインフレ目標に向けての進展に欠けた」との文言が入ったものの、過去一年間ではインフレは緩和しつつあるとの見方は変えておらず、また、6月から保有国債減少ペースを月600億ドルから250億ドルへ縮小させることを決めています。さらにパウエル議長は記者会見で、「次の行動が利上げになる可能性は低い」と述べる等、全般的に、予想されたタカ派的な色合いが強まることは無く、やや拍子抜けの内容となりました。これを受けて米長期金利は乱高下の後低下。欧州序盤に158円に迫っていたドル円は、157円台前半に反落しました。更に5時過ぎに157円台後半に再度反発しかけたところで4円超急落、一時153.04まで値を下げる動きとなり、この急落時には米長期金利等に特段の動きは無かったことから、イベント終了後東京時間までの薄い市場を狙っての市場介入が疑われています。ただその後は買い戻されて154.40レベルで東京時間(6:00)につないでいます。
テクニカルにはドル円は、今朝がたの急落で、転換線、基準線、前回介入時に下げ止まった3月以降のトレンドライン下限、更には21日移動平均線をも一時下抜けましたが、午前中156.24まで買い戻され、転換線以外は回復。短時間で今朝の急落分の約2/3をすでに戻しています。
29日の為替介入時は、最初の介入による下落から半値を戻したところで、さらに押し下げ介入を実施したと見られ、ドル円の現水準は再び介入を警戒すべき領域に入っています。もっとも、明日本邦祝日中に4月米雇用統計の発表を控え、財務省はドル売りのタマ数との兼ね合いもあり、効果的な介入のタイミングを見計らっている可能性があります。ファンダメンタルズ的には、今回FOMCでのタカ派的な姿勢は回避されており、今朝方以上のドル円の水準は投機的とみなされるであろうことも考えると、ここから連休明けにかけては、ドル円は市場の根強いドル買い意欲と、当局の介入警戒感の綱引きで神経質な展開が予想されます。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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