ドル円 ドル高の調整進む、米雇用統計の内容注視(5/3夕)

アジア市場はドルが弱含み。寄り付きから一貫してのじり安で、一時は153円を割り込む局面も観測されていた。

ドル円 ドル高の調整進む、米雇用統計の内容注視(5/3夕)

ドル高の調整進む、米雇用統計の内容注視

〇ドル円、右肩下がりの展開で調整が進み一時は153円割り込む局面も
〇市場では本日の米雇用統計後の実弾介入を警戒する声もあり要注意
〇昨日NYクローズで21日MA(154円前半)をしっかりと下回り、ドルの上値重い
〇本日、4月雇用統計やISM非製造業総合指数などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、153.80レベルが最初の抵抗。抜けると21日MA位置する154円前半目指す
〇ドル安円高方向、アジア時間安値152.75レベルめぐるにまずは注目。下回ると152円前後がターゲット
〇欧米時間のドル/円予想レンジ:152.40-154.20

<< アジア市場の動き >>

アジア市場はドルが弱含み。寄り付きから一貫してのじり安で、一時は153円を割り込む局面も観測されていた。

ドル/円は153.65円レベルで寄り付いたのち、日中高値の153.80円を示現するもドル高傾向はそこまで。以降は右肩下がりの展開をたどるなか、円安けん制発言や実弾介入などはとくに観測されないにもかかわらず調整が進む。ドルは152円台まで最大1円を超える下落をたどっていた。16時現在では153.25-30円で欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「ガザ情勢」について。
前者は、神田財務官から「介入について話できることはない」などといったコメントが聞かれていたものの、政府・財務省は日本時間の2日早朝にも実弾介入を実施していたことが統計から明らかになった。日銀が発表した当座預金残高を参考にすると、2日早朝の介入については「約3兆円規模」との見方が少なくないようだ。これが事実とすれば、4月29日の推計である5.5兆円と合わせて8.5兆円となる。なお、市場では本日発表される米雇用統計後の実弾介入を警戒する声も聞かれており一応要注意か。もちろん、レベル次第ではあるものの、先日は米FOMC後に介入を実施しており可能性はゼロではない。

対して後者は、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止をめぐり、様々な報道が入り乱れるも、昨日はハマス指導者が仲介国であるエジプトなどの高官と電話会談を行い「休戦案を前向きに検討する」旨の発言を行っていたようだ。しかし一方で、「イスラエル軍はガザ地区南部ラファに侵攻すれば交渉を中止するとしている」や、ブリンケン米国務長官と会談したイスラエルのガラント国防相は「ラファ侵攻の準備を進めていると強調した」−−との報道もあり依然として予断を許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は本日アジア時間に一時152円台を示現。今週初め4月29日には160円台を付けた局面もあり、それからすると7円を超えるドル安・円高の進行になる。ドルの下落スピードもなかなか速い。ドル高・円安という基調そのものは依然として変更ないと考えるが、移動平均で見た場合には昨日NYクローズでも21日線(154円前半)をしっかりと下回っており、本稿執筆時でもそれを回復できていないことは気掛かり。ドルの上値は徐々に重くなってきたようだ。
1日に米FOMCの結果が発表されたが、予想よりも強気だったとの見方が優勢。しかし、ここ最近発表される米経済指標は逆に冴えないものが少なくない。そうしたなか、本日は注目の米雇用統計が発表される予定で、果たして如何なる数字となるのか注目だ。ただ、前月は予想以上の好数字になったこともあり、今月は反動的な悪化を見込む声も聞かれていた。もちろん数字次第だが、予想よりも悪化すれば東京の流れを継ぐ格好で、ドルがさらに売り込まれることになるかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円は約1ヵ月半ぶりに21日線をNYクローズでも下回ってきた。ちなみに、前回21日線を下回ったのは今年3月頭から半ばに掛けての2週間強。今回はまだ完全に下回ったとは言えず、たとえば米雇用統計が良好な数字になった場合などに再び回復する可能性も残されているが果たして如何に。
しかし、しっかり下回ると今度は21日線が強い抵抗となりかねず、ドルの上値を強く抑制する一因となりかねないかもしれない。本稿執筆時のレベルからすると、幾分遠のいている感はあるが、攻防にまずは注目だ。

本日は米経済指標として、4月の雇用統計や同ISM非製造業総合指数などが発表される予定だ。市場でもっとも注視されているのは前者の雇用統計で、そのなかでもとくに関心の高い非農業部門雇用者数はプラス24万人、失業率は3.8%程度と予想されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.40-154.20円。ドル高・円安方向は本日アジア時間の高値153.80円レベルが最初の抵抗。抜けると154円、そして21日線が位置する154円前半などを目指しそうだ。
対するドル安・円高方向は、こちらも本日アジア時間安値の152.75円レベルをめぐるにまずは注目。それを下回ると152円前後がターゲットに。

ドル高の調整進む、米雇用統計の内容注視

ドル円日足



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