ドル円 当局介入実施か、上値トライは仕切り直し(4/29夕)

週明けのアジア市場は大荒れ。1990年高値に面合わせする160円台まで一時値を上げたものの、実弾介入を疑われる動きから5円程度も一気に値を下げた。

ドル円 当局介入実施か、上値トライは仕切り直し(4/29夕)

当局介入実施か、上値トライは仕切り直し

〇ドル円、寄り付き158円レベルから円安進行。1990年4月以来の160円台まで一気に値を上げる
〇実弾介入を疑われる動きが観測され155円前半まで急落、かなり激しい上下動たどる
〇神田財務官「いまはノーコメント」と、介入を行ったか否か明言せず
〇155円前半で下げ止まり157円台まで戻すという買いの強さ健在。ドルは引き続き底堅い値動きたどるか
〇ドル高円安方向、本日ドル急落後の戻り高値157円台前半が最初の抵抗
〇ドル安円高方向、本日安値155円前半の攻防に注目。21日線のある153円半ばに向けての続落には要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジ:154.30-157.00

<< アジア市場の動き >>

週明けのアジア市場は大荒れ。1990年高値に面合わせする160円台まで一時値を上げたものの、実弾介入を疑われる動きから5円程度も一気に値を下げた。

先週末に実施された衆議院3補欠選挙は自民党が全敗した反面、立憲民主党は全勝。岸田政権への不安も取り沙汰されるなか、バイデン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、ガザ恒久停戦案を議論したとされ思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は158円レベルで寄り付いたのち揉み合いを経て、円安が進行。1990年4月以来の160円台まで一気に値を上げたほか、ポンド/円も2008年以来となる200円台を示現するなどクロスも全面高の様相に。そののちドルは小緩み大台は維持できなかったが、それでも159円台での強保ち合いをたどるなか、実弾介入を疑われる動きが観測されると155円前半までドルは急落と、かなり激しい上下動をたどっている。16時現在では157.00-05円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「円買い介入」と「ガザ情勢」について。
前者は、週末にブルームバーグが「円急落でも動かない当局にトレーダーら疑問」と報道。また時事通信も「為替介入のタイミングが焦点」といった内容を伝えるなか、前述したように本日アジア時間にドル/円は続伸し一時160円台へ。そうしたなか、160円を付けたのち小緩んだ159円後半で実弾介入を疑われる動きが観測されている。155円前半まで5円近くも値を下げた。なお、こうした市場の動きについて、神田財務官は「いまはノーコメント」と述べ、介入を行ったか否か明言しなかったが、マーケットをウォッチしていた筆者の肌感覚では介入を実施したか否かは微妙に思っている。

対して後者は、米ニュースサイトのアクシオスが、イスラエル側がエジプト代表団に対し、交渉に進展がなければガザ最南部ラファへの侵攻に踏み切ると警告したと報じるなど依然としてキナ臭い動きが観測されるなか、米・イスラエル首脳による電話会談が行われ、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放をめぐる間接交渉への対応が協議されたようだ。後者の首脳会談で、イスラエルは人質解放後に恒久停戦を議論する用意があるとイスラム組織ハマスに提案したという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、東京休場の薄商いというまさかのタイミングを狙った仕掛けから本日160円台を示現したものの、そののち実弾介入を疑われる動きで一時ドルが急落している。さすがにドルの上値が重くなった感を否めず、再度160円をうかがうような展開は一旦仕切り直しか。とは言え、155円前半で下げ止まり、そののち157円台まで戻すという買いの強さも健在だ。ドルは引き続き底堅い値動きをたどりそう。
市場では依然として日米金融政策が注視されており、そうした意味では今週開催される米FOMCと、その結果発表には要注意だ。また、それ以外でも週末の米雇用統計の発表など注目材料は少なくないが、目先的には「介入らしき動き」が観測されただけに、関連情報に注意を払いたい。再び158円を超えていくような展開になったとき、同じような動きが観測されるのかなども注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日アジア時間に160円へと一時達するも、そののち155円台まで急反落。ドル高という基調そのものは続いているが、さすがに上値を積極的には追い難くなった。決してレベルだけの問題ではないにしても、160円レベルがシーリングとして今後認識される可能性もありそうだ。
そんなドルのサポートはまず155円前後。しっかり下回ると移動平均の21日線が位置する153円半ばがターゲットに。

本日は米経済指標として、4月のダラス連銀製造業活動指数が発表される予定だが、欧米企業の決算発表を含めて材料はいくぶん少なめか。そうした意味では動きにくそうだが、東京時間に「介入らしい」動きが観測されたこともあり、予定にない欧米要人発言などに警戒を抱く向きは少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.30-157.00円。ドル高・円安方向は本日ドル急落後の戻り高値である157円台前半が最初の抵抗か。抜ければ158円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、同じく本日アジア安値である155円前半の攻防にまずは注目。割り込んでも基本は底堅そうだが、それでも21日線に向けての続落には要注意だ。

当局介入実施か、上値トライは仕切り直し

ドル円日足



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