ドル円、一時160円超まで急騰するも、為替介入観測を受けて154円台へと大暴落(4/30朝)

週明け29日(月)のドル円相場は急騰後に大暴落。

ドル円、一時160円超まで急騰するも、為替介入観測を受けて154円台へと大暴落(4/30朝)

ドル円、一時160円超まで急騰するも、為替介入観測を受けて154円台へと大暴落

〇ドル円、昨日朝方、約34年ぶり高値となる160.24まで急騰
〇日米金利差拡大観測、ゴールデンウィーク中の薄商いを狙った仕掛け的なドル買いが背景
〇買い一巡後、政府・日銀による為替介入と思しき断続的なドル売り・円買いに夕刻安値154.52まで急落
〇海外引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、156円台前半での推移
〇ユーロドル、1.07を挟んで方向感に欠ける動き
〇ドル円は160.24まで急騰後に154.52まで急落する歴史的大相場
〇値動きからは、為替介入(覆面介入)が入った可能性は相応に高いと考えられる
〇日銀が追加利上げに踏み切るまでは、利上げ催促のドル買い・円売り続くか
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:154.50ー158.00

海外時間のレビュー

週明け29日(月)のドル円相場は急騰後に大暴落。(1)先週末金曜日に開催された日銀金融政策決定会合および植田日銀総裁記者会見のハト派的な結果(日銀会合での政策変更見送り+展望リポートにおける26年度コアCPI見通しの1.9%設定+植田日銀総裁による「当面緩和的な金融環境が継続すると考えている」「国債買い入れ、6兆円で続けることに今会合で反対はなかった」「基調的な物価に対して円安は今のところ大きな影響出ていない」とのハト派的な発言)や、(2)先週末金曜日に発表された米3月PCEコアデフレーター(結果+2.8%、予想+2.7%)の市場予想を上回る結果、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの活発化、(4)本邦ゴールデンウィーク中の薄商いを狙った仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、約34年ぶり高値となる160.24まで急騰しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)政府・日銀による為替介入と思しき断続的なドル売り・円買い(※神田財務官は「為替介入の有無について今はノーコメント」「5月末に介入実績を通例通り発表する」と発言)や、(6)上記5を背景としたロング勢の大規模ロスカットが重石となり、アジア時間夕方にかけて、安値154.52まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/30午前6時00分現在)では、156.30前後で推移しております。尚、昨日発表された米4月ダラス連銀製造業指数(結果▲14.5、予想▲11.2)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

週明け29日(月)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。アジア時間午後にかけて、高値1.0734まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ユーロ圏4月サービス業信頼感(結果+6.0、予想+6.8)の市場予想を下回る結果や、(2)ユーロ圏4月鉱工業信頼感(結果▲10.5、予想▲8.5)の市場予想を下回る結果、(3)ユーロ圏4月経済信頼感(結果95.6、予想96.7)の市場予想を下回る結果、(4)ドイツ4月消費者物価指数速報値(結果+2.2%、予想+2.3%)の市場予想を下回る結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0690まで下落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米4月ダラス連銀製造業指数(結果▲14.5、予想▲11.2)の市場予想を下回る結果や、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/30午前6時00分現在)では、1.0720前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はオランダ中銀クノット総裁による「利下げ開始時期は6月が現実的だ」「ECBの経済見通しから外れなければ6月以降も利下げを続けることが可能」との発言や、デギンドスECB副総裁による「インフレに関して正しい方向に進んでいる」「賃金上昇率は鈍化の兆しを示している」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

昨日のドル円は160.24(1990年6月以来、約34年ぶり高値圏)まで急騰後に154.52まで急落する歴史的大相場となりました(1日の値幅が5.72円)。神田財務官は為替介入の可能性について「ノーコメント」に徹しましたが、値動きから察するに、為替介入(覆面介入)が入った可能性は相応に高いと考えられます。イエレン米財務長官は先週、「為替介入は非常にまれで例外的な状況でのみ許容される」と、日本の為替介入を牽制しておりましたが、先週末から今週初にかけての5円弱の円安は、ファンダメンタルズを逸脱した「例外的な状況」にあたると判断されたのかもしれません。

とはいえ、日米金利差というファンダメンタルズが顕著に残っていることや、米国もインフレ抑制に寄与するドル高を容認したい本音があること(政府・日銀にとっては米国への配慮から追加介入に踏み切りづらい)等を踏まえると、ドル円の下値余地は限られそうです。日銀が追加利上げに踏み切り、日米金融政策格差が本格的に埋まるまでは、利上げ催促のドル買い・円売りが続くと考えられるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米2月S&Pケースシラー住宅価格指数や、米4月シカゴ購買部協会景気指数、米4月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数などが予定されております。

本日の予想レンジ:154.50ー158.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、一時160円超まで急騰するも、為替介入観測を受けて154円台へと大暴落

ドル円日足

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