トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、一段のトルコリラ安を試す可能性が高いと見て「15.20レベルをサポートに、15.90レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が15.35レベル、高値が15.68レベルと、ほとんど動きの見られない一週間となりました。
先週のトルコリラは、22日のトルコ中銀の金融政策決定会合が注目材料となり、9.75%から0.5%の利下げを行い9.25%がコンセンサスではあるものの、0.75%の利下げの可能性を示しましたが、それを上回る1.0%の利下げを行い8.75%としました。物価上昇率を大きく下回る政策金利としたことでトルコリラ売りにつながると考える参加者も多かったはずなのですが、トルコリラ相場への影響はほぼ皆無で終わりました。
これは、チャートを見ても不自然で対ドルで7.0の大台でぴったりと止められているという動きです。7.0の大台死守のためトルコリラ買い介入が出ていたと言われますが、これまでもトルコリラ安の流れの中で断続的に介入をしていることから、7.0の大台を上抜ける動きが出てくる時には注意が必要ですし、トルコには大規模にドル売り介入を続けられるほどの外貨準備はなく、かなりのペースで減少が続いています。
コロナウイルスの感染者増で国内景気に大きな減速が出ている中で、こうした潜在的なトルコリラを売る動きがどこで均衡が崩れるのかという段階にあると考えた方がよいため、今後のドルトルコリラ7.0の攻防を見ながら、上抜けた時はトルコリラ円は下抜ける動きを想定しておいた方がよいでしょう。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
中段のドルトルコリラのピンクの水平線が7.0です。対円では先週の高値圏15.70レベルがレジスタンスとなってきますが、下値は新値更新の動きでどこまで下げるかです。こちらは3月下旬の高値を起点とした先週示した逆N波動から求めるターゲット15.20、14.87という水準がありますが、その間の大台15.0のほうがターゲットとしては妥当です。
今週は対ドルでの上抜けを想定し、大台15.00レベルをサポートに、15.70レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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