ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、テクニカルな観点から「プロジェクションのターゲットに近い5.50レベルをサポートに、大台には届かないと考え5.90レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が5.61レベル、高値が5.76レベルと、週間レンジがわずか15銭、最近のランド円としては驚くほど動きの少ない一週間となりました。
先週のランドは、経済面は22日に260億ドル相当の経済支援策となる失業保険による給与の補填や中小企業への支援策等が発表されました。しかし、ランドは一時的に買われたもののすぐに元の水準に戻してします。これには、アフリカで2番目に多くなった感染者拡大を阻止するため、ロックダウン監視要員として軍から7万人を派遣という軍事国家かと思わせる発表が同時に行われたことがありそうです。7万人という規模は南アフリカが民主化されて以降最大規模だそうです。
そして、今週は南アフリカが月曜と金曜が祝日となっていて、実質的に3日しかないということも動きを鈍くした原因と言えます。問題は今週木曜までのロックダウンが延長されるかどうかにかかっていますが、依然として感染者が拡大している中で、先週の大規模な群動員による監視策を見ていると、どうもロックダウンの延長が行われるのではないかという見方が増えているようです。
現地駐在の日本人にも懸念はあったようで、南アフリカの日本企業が中心となってチャーター便を用意し、エチオピア経由で24日に南アフリカを飛び立ちました。これはランド相場には影響ないかもしれませんが、南アフリカで活動する日本企業がまた現地に戻ることもかなり先になるでしょうから、南ア経済にとってはあまりよくない傾向と言えそうです。
今週は南アもゴールデンウィーク状態なのでテクニカルな観点から見ていきましょう。
まず、ドルランドの日足チャートをご覧ください。
見ての通りですが、年明け以降ドルランドは着実にドル高・ランド安の歩みを続けています。4月初めの19.345が対ドルでのランド史上最安値ですが、現在の水準もかなり近いところで高止まり状態ですが、早晩新値をつけにいく展開が考えられますし、その上には20の大台が視野に入ってきていますので、1ドル20ランドという水準も最近のランド安のペースからすると、いつあってもおかしくは無いと言えるでしょう。
この対ドルでのランド安状況を踏まえて、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
先週の値幅の狭さが際立っていますが、4月6日の史上最安値5.60まであと1銭しか無い上に上値が重たいわけですから、どう考えても新安値をつけに行くとしか思えません。まず対円で新安値をつけ、その後どこかで対ドルでも新安値をつけ、その時は更に対円で安くなるといったスパイラル上のランド売り状況になる可能性には十分な注意が必要と言えます。
今週もテクニカルな観点から、先週示したプロジェクション(フィボナッチリトレースメントの100%超え)のターゲットに近い5.50レベルをサポートに、先週上値を抑えられた水準に近い5.80レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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