ポジション調整主導で反発するも上値は重い。史上最安値更新が射程圏内
今週のレビュー(4/27−5/1)
今週の南アフリカランド円相場は、週初5.64円で寄り付いた後、早々に週間安値5.62円まで下落しました。しかし、先週末金曜日に記録した史上最安値5.61円をバックに下げ渋ると、@原油先物価格の反発や、A新型コロナウイルス治療薬レムデシビルの臨床試験での好結果、B上記@Aを受けたリスク回避ムードの後退、C世界各国による外出規制の緩和発表(南アフリカでも5/6から段階的に学校が再開)、D連休入りを前にしたポジション調整(ショートポジションの解消)が支援材料となり、週後半にかけては、4/14以来、約3週間ぶり高値となる5.92円まで上昇しました。もっとも、ショート勢のロスカットが一巡すると、E南アフリカの国営航空会社南アフリカ・エクスプレスの精算発表や、F格付け会社スタンダード&プアーズによる格下げ、G米中対立リスクの再燃が重石となり、結局、5.68円まで押し戻されての越週となっております。
来週の見通し(5/4−5/7)
南アフリカランド円相場は、2/21に記録した高値7.48円をトップに反落に転じると、4/24には史上最安値となる5.61円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象づけるチャート形状となっております(現在も安値圏での推移が続いており、史上最安値更新が射程圏内)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速)、B米中対立再燃リスク(米中対立リスクが再燃すれば、経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れ)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における感染者数の増加リスク(外出規制緩和後に再度感染者数が増加に転じるリスク)、E南アフリカ国債利回りの上昇に伴う財政赤字拡大懸念など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した南アフリカ経済の下押し圧力や、WGBIからの除外決定を受けた「株安・通貨安・債券安」のトリプル安の流れ、米中対立再燃リスクが重石になると見られ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(来週は史上最安値更新を想定。本邦大型連休中のフラッシュクラッシュに要注意)。尚、来週は5/7に予定されている南ア・SACCI企業景況感指数に注目が集まります。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.40ー5.90
南アフリカランド円日足
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