新型コロナ関連の材料注視も、基本はレンジ(4/24夕)

24日の東京市場は、横這い推移。107円後半の20ポイント程度のレンジ取引で、引き続き方向性は乏しい状況だった。

新型コロナ関連の材料注視も、基本はレンジ(4/24夕)

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24日の東京市場は、横這い推移。107円後半の20ポイント程度のレンジ取引で、引き続き方向性は乏しい状況だった。

ドル/円は寄り付いた107.55円レベルが日中安値となったものの、上値も限られるボックス相場。値幅はわずかに20ポイント強で、107.70円台では上げ渋りの様相をみせた。日米を中心とした株価動向に加え、原油価格の動きなどをにらみつつも為替市場に値動きは反映されず。結局、16時現在では107.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか韓国ウォンが冴えない。ドル/ウォンは一時1237ウォン台までドル高・ウォン安が進展する局面も観測されていた。低迷する韓国の経済情勢などが嫌気されていたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナをめぐる欧州情勢」と「新型コロナをめぐる米国情勢」について。
前者は、新型コロナによるダメージについて、ラガルドECB総裁がEU首脳に「GDPは最大15%減少の可能性がある」旨の発言をするなど、かなりの危機感を前面に押し出していた。しかし、実施されたEU首脳によるテレビ会議において、「復興基金創設で合意」はしたもののそれだけ。詳細は先送りされるなど、成果の乏しいまま終了している。事前に懸念されていた域内での対立は、結局解消されなかったようだ。
対して後者は、NY州知事から「3000人対象のコロナ抗体検査で14%が陽性反応を確認」との衝撃の発表が行われ、これを州民全体に広げた場合、実に270万人が新型コロナに感染した可能性が示唆されたと話題に。しかし、トランプ氏は「40%の郡部で新規感染が減退している」などといった楽観的な発言を行ったうえ、別に「CNNによる『北委員長の重体報道』は正しくない」とのコメントも聞かれていた。

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多くの欧米諸国において、新型コロナウイルスの感染拡大は「表向き」ピークアウトした感が強まっているものの、先で指摘したNY州知事の発言からすると、「隠れ感染者」などがそれぞれの国に大量に存在している可能性も否定出来ない。巷では「秋にも第2波到来」の可能性が取り沙汰されているが、確かにそうした状況にも要注意だ。一方で、各国間の利害対立が鮮明となった欧州情勢は本当に気掛かりである。当面のあいだ、ユーロの弱材料となるとの見方も少なくない。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題になる。感染者数拡大に関する情報も要注意だが、それよりも経済活動再開の動きや企業決算などを含めた実体経済へのダメージといった、よりリアルな内容が関心を集めているようだ。また、昨日結果的に間違った情報が流布した格好だったが、コロナ治療薬をめぐり株式を中心に一時金融市場が乱高下をたどっただけに、同様の展開にも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、106.90-108.10円という値動きは早くも2週間近くに達しているだけでなく、期間をいま少し狭めると形成レンジもさらに狭まる。実際、今週だけとすれば、107.29-108.05円でわずか76ポイントレンジ。このまま今週が終われば、今年2番目の週間小変動、一連の「コロナショック」以降では週間最小変動ということになる。いずれにしても、レンジ放れの有無に注目だ。

本日、この後は3月の耐久財受注速報や4月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は予想比改善されたが、数字そのものは極めて悪い。本日以降の米経済指標についても、引き続き注意が必要だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.30-108.20円。ドル高・円安方向は、昨日記録した高値108.05円ならびに目先の形成レンジ上限である108.10円レベルが最初の抵抗。ただ、超えても108.30円には移動平均の200日線が位置しており上値は重いか。
対するドル安・円高方向は、107.30-40円が時間足など短期ベースで予想以上に強固なサポートになっている感。また、割り込んでも下方向のテクニカルポイントは数多く、4月安値106.93円は存外近くて遠い感がある。

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ドル円日足

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