ランド円ショートコメント(2020年2月17日)

週初から下げ続け大台7.0円をも下抜ける一週間となりました。

ランド円ショートコメント(2020年2月17日)

ランド円ショートコメント

まず、先週の振り返りですが、上値は重たいまま、下値はレンジ下抜けリスクも考え「7.10レベルをサポートに7.50レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.82レベル、高値が7.42レベルと、週初から下げ続け大台7.0円をも下抜ける一週間となりました。

ランド円の下げた最大の理由は米国株式市場急落によるリスクオフの動きですが、中国を最大の貿易相手国とする南アフリカにとっては、今回の新型コロナウイルスの感染者拡大は当初から懸念されていたところに、世界的な感染者拡大から米国株が急落、世界全体の景気減速懸念が、高金利通貨(ランド)売り・低金利通貨(円)買いになったと言えます。

そしてもうひとつは、2月26日に発表された南アフリカの予算案です。公務員の給与削減等を柱とした歳出削減の緊縮予算を示したことで発表直後は好感されましたが、フィッチが労組の反対があり実現が困難な予算案とのコメントを出したことで、これもまた悪材料となりました。このままで行くといよいよ今月下旬に予定されているムーディーズの格付け見直しにおいてジャンク入りとなる可能性が取りざたされています。

テクニカルにも最近のもみあいを下抜けてきたことでランドの戻りは弱そうだというチャートになっています。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。

ランド円ショートコメント

中段のランド安と下段の円高のダブル効果で上段のランド円は大幅安です。このあたりはトルコリラ円も同じですが、もみあいの下限(黄色)を最終的に下抜けたことで現状はその7.20水準がレジスタンスとなってきます。

ランド円でも下げの速度が速いことから今週はいったんもみあいを考えますが、中国の景気悪化とムーディーズの格付け引き下げ懸念がある中で戻りは弱いと考えざるをえません。今週は6.75レベルをサポートに7.10レベルをレジスタンスとする週とします。

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