トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、よほどのことが無ければ30銭レンジで十分として「18.85レベルをサポートに19.15レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.75レベル、高値が19.10レベルと思ったよりもややトルコリラ売りが強まった週となりました。
先週のトルコリラ円は、2日に7〜9月期GDPが発表され予想よりも若干弱い程度でしたが、週間高値を付けた直後ということもあり、ポジション調整の売りのきっかけとなりました。その後、月曜のNY市場のトランプ大統領とロス商務長官の発言によるリスクオフの円買いの動きがトルコリラ円にも波及しトルコリラ円は続落。
翌3日もCPIはほぼ予想通りで年率10.56%と目立った動きとはならなかったものの、前月比では0.38%にまで下げてきていることから、利下げ思惑につながり、さらにNY市場のロス商務長官の発言ではドル円とともに下げる動きとなりました。その後金曜まではもみあいを続けていましたが、NY市場で11月安値18.78レベル(チャート内、青の水平線)を下抜けたことでテクニカルに売りが入ったと言えます。
そして、今週の注目はFOMCとECB理事会に挟まれた12日20時のトルコ中銀の政策金利発表です。インフレが収まってきていることから、今回も利下げが行われるとのコンセンサスですが、前回の14.0%から1.5%引き下げ12.5%となっています。これまでのトルコの利下げはインフレ低下を良い材料と捉えた面も強くトルコリラ売りには繋がりませんでしたが、今回は金利差縮小という部分に目が行きやすくなっているようです。
予想通りでも予想よりも大きな利下げとなってもトルコリラ売りに繋がりやすいのですが、12日は英国総選挙の日でもあり、ドル円で何か動きが出てくるようであれば、トルコリラ以上に影響が出るかもしれませんし、逆にトルコ中銀の発表時間では動きがとりにくいかもしれません。ただ、トルコの利下げという面だけを見るならば上値を抑える材料とされていますので、プラスでリスクオフが出てくるような場合が要注意です。
テクニカルな観点からいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
サポート(青の水平線)を下抜けたことで、現状は先週高値を起点とする下降チャンネル(ピンク)の中での動きを考えてよさそうです。先週後半の動きでは18.90レベルが既に上値が重たくなってきています。いっぽうで下値はチャンネル下限が今週後半には18.50レベルに下がっていくことを考えると、同水準までの下げを視野に入れてもおかしくはありません。材料的にもテクニカルにも下げやすい地合いを考え、今週は18.55レベルをサポートに18.85レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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