ランド円レポート月曜版(2019年12月9日)

予想よりも若干狭く上値の重いレンジでの取引となった一週間でした。

ランド円レポート月曜版(2019年12月9日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、8 月からの上昇ウェッジの上限と 11 月 1 日からのサポートの両ラインを基準に「7.40 レベルをサポートに、7.55 レベルをレジ スタンスする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が 7.38 レベル、高値が7.51 レベ ルと、予想よりも若干狭く上値の重いレンジでの取引となった一週間でした。

先週のランド円は、週初のトランプ大統領とロス商務長官の発言は思いのほか影響が少な く、週初は 3 日火曜東京市場までは前週からの買いが続いていました。しかし、3 日に発表 された南アフリカの 7〜9 月期 GDP が予想よりも大幅に悪い結果となりました。先週のコメントでは「7〜9 月期は 0.4%へと減速する予想となっています。この数字が下振れするようなことがあると、ランド売りにつながる」と書いたのですが、結果は 0.1%の成長とかなり悪い結果となりました。

この GDP を受けてランドは対ドル、対円で売られ火曜の NY 前場で週間安値をつけました が、その後は思いのほか動きが鈍くなった印象で、7.40 台前半を中心に上下しながらも、もみあいとなっていました。ただ、週初までの上昇トレンドは終わり、現状はもみあいもしくは短期的な下降トレンドに転じた可能性は出てきています。

今週は南アフリカ関連で目立ったものでは 11 日の CPI 発表がありますが、こちらは年率で 前回の 3.7%から今回の予想は 3.6%と若干の低下が予想されています。また翌 12 日には PPI 発表がありますが、こちらも前回の 3.0%から今回の予想は 2.9%と若干の低下予想です。多少のずれでは反応は限られると思いますが、大きく下がってくる場合には今後の中銀会合において利下げが検討される思惑が広がり、ランド売りの動きが強まる可能性はあります。

今週は大きなイベントとしては英国総選挙がありますが、ランドへの影響は限定的でしょうし、それ以上に週末 15 日までに米中通商協議が進展するのかどうかが最大の懸案材料となります。先週のロス商務長官発言時こそ動きは出ませんでしたが、もし週末まで進展が無いようだと 12 月 15 日の対中制裁関税発動の可能性も残されているだけに、来週の週明けは主要通貨だけでなく中国が最大の貿易国となっている南アランドも売られるリスクが高まります。

上記の通り、今週はインフレ関連指標と週末の対中制裁関税発動の有無が焦点となってきますが、イメージとしてはどちらもリスクはランド売りです。何も無ければ横ばいが続きそうですが、何かあった時には先週時点で下降トレンド入りした可能性が高いランドの売りが強まることとなるでしょう。

他にはこれといった材料はありませんので、早速チャートを見てみましょう。いつもの 4 時 間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)です。

ランド円レポート月曜版

まだ、下降トレンドを確定させるほどの動きは出ていませんが、仮に先週のレジスタンスラインとそれに平行なラインとで下降チャンネルを想定してみました。赤のターゲットは 11 月安値7.12と先週高値7.51とのフィボナッチ・リトレースメントです。38.2%押しが7.36、半値押しが 7.32 となっていますが、下げの方向性が見えてくる場合には、後者の半値押し 7.32をターゲットとする動きが出てきそうです。

いっぽうで上値はレジスタンスラインが 7.46 とまだかなり近いことを考えると、レジスタンスラインの後の方の戻り高値7.48が目安となりそうです。今週は7.35レベルをサポートに 7.48 レベルをレジスタンスとする週を見ておきますが、あまりにレンジが狭い感じもあるので、中心レンジという見方をしていただければと思います。

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