心理的節目7.50突破もすぐに反落。ファンダメンタルズ的な弱さが重石に
今週のレビュー(12/2−12/6)
今週の南アフリカランド円相場は、週初7.47円で寄り付いた後、@グローバルなリスク選好ムードを背景に、翌12/3に、8/1以来、約4カ月ぶり高値7.52円まで上昇しました。しかし、ボリンジャーバンド上限や、200日移動平均線に続伸を阻まれると、A南ア・第3四半期GDP(結果:前年同期比0.1%、予想:同0.4%)の冴えない結果や、B米中リスク再燃を受けたリスク警戒ムードが重石となり、同日海外時間には、安値7.38円まで反落しました。もっとも、その後は新規材料に乏しい中、方向感を見出しづらく、週央以降は持ち直す展開に。結局、7.42円での越週となっております。尚、南ア・第3四半期経常収支(結果▲1903億ランド、予想▲1608億ランド)は赤字幅が拡大する結果となりましたが、市場の反応は限定的となっております。
来週の見通し(12/9−12/13)
今週の南アフリカランド円相場は、週前半にかけて、約4ヵ月ぶり高値7.52円を記録するも、その後反落する展開となりました。上方に位置する200日移動平均線に続伸を阻まれたことで、テクニカル的に見て「やや上値の重さ」が意識されるチャート形状となりつつあります。目先は7.39円付近に位置するボリンジャーミッドバンドを下抜けられるか否かに注目が集まりそうです。
ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不安(=11/5の南ア・消費者信頼感指数や、11/13の南ア・小売売上高、12/3の南ア・GDP、12/5の南ア・経常収支が軒並み市場予想を下回った)や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念→ムーディーズによる南ア国債の格下げリスク)、B米中を巡る先行き不安(=南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下振れリスク。香港人権法案やウイグル人権法案が成立したことで米中リスク再燃の恐れ。足元では米中合意後ずれ観測も台頭)、Cムーディーズによる次回3月の格下げリスク(=2020年2月に予定されている南ア予算発表で財政健全化見通しが示されなかった場合、翌3月に格下げが行われる可能性大。格下げとなればWGBIから除外されることで、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされるリスクあり)など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が意識されます。ムーディーズによる格下げリスクや、エスコム問題、米中合意の後ずれ観測(トランプ米大統領は今週「米中貿易合意に期限はない」「来年11月の大統領選後まで待った方が良いかもしれない」との発言)など、不安材料目白押しの中、南アフリカランド円相場の上値余地は乏しいと考えられます。来週は12/11の南ア・11月消費者物価指数や、南ア・10月小売売上高、12/12の南ア・11月生産者物価指数を睨みながらも、下落リスクに警戒が必要でしょう。
南アランド円の予想レンジ ZARJPY 7.25ー7.55
南アフリカランド円日足
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