トルコリラ円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、引き続き上昇チャンネルの中で底堅い地合いを続けていると見て「18.80レベルをサポートに、19.15レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が18.83レベル、高値が19.06レベル、週間レンジが23銭と最近にしては珍しく狭いレンジでのもみあいに終始しました。
先週のトルコリラ円は、トルコの材料としては月曜に発表されたCPIが年率で予想を若干下回る8.55%と一段の落ち着きを見せましたが、先週のインフレに関するコメントで書いた通り、ようやくインフレが抑えられインフレ率が巡航速度に戻ってきたことで、トルコ中銀による更なる利下げ思惑も決して悪材料とはなりません。
既に過去3回の会合で合わせて10%の利下げにより現状の政策金利は14%、そして12月の会合では更なる利下げとなりそうですが、金利差縮小ではあるものの、インフレが抑えられた来たという好材料の裏返しでもあり、あまり利下げをトルコリラ安と結びつける必要は無いと見ています。
さて今週は目立った材料がいくつかあります。火曜の経常収支、水曜のトランプ・エルドアン首脳会談(ワシントン)、金曜の失業率とあります。特に、首脳会談が大きな材料です。前回の電話会談において、二国間問題やシリア情勢について話し合われましたが、その会談について更に詰めていくとされているため、まずはシリアの停戦状況についての確認、そしてこれまでの問題としてロシアからのミサイル購入問題、また両国間で残されている政治的な問題についてどこまで議論が進むかといったあたりがテーマです。
最近の米国議会のトルコ制裁決議など米国側でもホワイトハウスと議会ではトルコに対する態度が異なっていますので、好材料にも悪材料にもなりうる首脳会談となりそうです。
そうなると13日NY市場までは様子見が続きやすく、その会談内容によって方向性が出てくるかどうかというイメージでしょうか。
テクニカルにいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)
上昇トレンドの中で、ここ2週間は横方向のもみあいへと地合いがやや変化してきている様子がわかります。上値は10月高値の19.15(赤の水平線)が強いレジスタンスとして効いてきそうですが、下値はサポートラインが18.60レベルを緩やかに上昇していて、同水準がサポートとなるでしょう。
今週は上下それぞれのターゲットの内側でレンジは広がっても横方向の動きを考え、18.65レベルをサポートに19.10レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.11.12
トルコリラ円見通し 持ち合いの範囲だが19円台を維持しきれずに戻り高値切り下がり(19/11/12)
ボックス圏内では逆張り有利と思われるが、放れるところからは大きく動き出すとすれば、現状はその前夜情勢と言えるだろう。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.11.11
トルコリラ円週間見通し 19円台を維持しきれず、10月序盤型の下落も警戒(週報11月第2週)
トルコリラ円は中東・シリア情勢が一服する中で全般的な金融市場動向及びクロス円動向を見ながらの展開に入っている。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。