ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、イベント経過とテクニカルな面と双方から押し目買いが出やすい週を考え「7.15レベルをサポートに7.45レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.26レベル、高値が7.47レベルと、予想よりも底堅く安値が限定的な一週間となりました。
先週のランド円は、前週金曜のムーディーズ格付け見直しにおいて現状維持となったことを好感して、週初からギャップアップしてランド買いが先行しました。また米中通商協議進展思惑は南アにとって最大の貿易国である中国の好材料でもあることから、双方で段階的に関税を撤廃との発言から木曜には週間高値となる7.47レベルをつけました。しかし、金曜になりトランプ大統領が関税撤廃は決まってないと発言したことから7.34まで押しての引けとなっています。
先週はイベント経過後の米中協議好材料での上げという週になりました。そして、その前週に発表された中期財政計画は南ア国内のファンダメンタルにとっては悪材料となりましたし、S&Pはその内容から今月中の格付け見直しにおいて南アの格付けをもう1段階下げる可能性について言及しています。S&Pは既に南アを投資不適格(ジャンク)としていますので、違いは無いと言ってしまえばそれまでですが、少なくとも以前に比べて南アの格付け環境が悪化してきていると捉えられるため、念のために注意しておきたいところです。
こうしたことからランドは前週高値までは戻し切らずに反落することとなりました。今週は小売売上高と鉱工業生産の発表があり、上値が重たくなってきた中での発表ということで弱い数字により敏感に反応しやすいと言えそうです。また先週金曜のトランプ大統領の発言はトランプ大統領だけでなく対中強硬派の意見となりますので、実際に署名の日程が決まるまでは、どこでまた決裂するかもしれないリスクもゼロではありません。先週の楽観的なリスクオンはやや行き過ぎ感もありますので、そのあたりのニュースにも気を付けておきたいところです。
そして、テクニカルですが今週はまず週足チャートから見ていきましょう。
短期的にはランド円は上昇トレンドにあるものの、長期的には着実に高値を切り下げる展開となっていて、2018年高値以降は上下しながらもピンクの太線で示したレジスタンスラインが効いており上値を抑える流れとなっています。直近ではピンクの細線で示した上昇ウェッジの中での動きとなっていましたが、先々週から先週にかけての高値圏は長期レジスタンスにほぼ抑えられたことは気になります。
そうした前提で、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
週足と同じラインを引いてありますが、先週高値の位置で長期レジスタンスと短期ウェッジの上限が一致していることがわかります。このパターンはテクニカルには、目先の高値を見たと考えた方がよいですから、今週は下値の目途を考える必要があります。これもわかりやすいターゲットがあり、ムーディーズ格付け発表後にギャップアップする前の高値7.21です。
今週はこのギャップを埋める可能性が高く、さらにギャップを埋めるとその方向への動きが強まる可能性もあることに注意しつつ、7.18レベルをサポートに7.43レベルをレジスタンスとする週を見ておくこととします。
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