ランド円ショートコメント
まず、先週の振り返りですが、上昇チャンネルの中での動きを継続と見て「7.25レベルをサポートに、7.55レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.18レベル、高値が7.41レベルと予想よりも上値が重たい展開となりました。
先週のランド円は、週初はサウジアラビア産油施設テロによるリスクオフの動きからスタートしたものの思ったほど下げず、木曜までは7.35を中心に10銭ほどの値幅の中でもみあいに終始する展開が続きました。流れが変わったのは金曜です。通商協議次官級で訪米中の中国代表団が、予定を切り上げて早期に帰国するという話が伝わったことです。同時にトランプ大統領も合意できる内容ではないと、10月の米中通商協議に向けて暗雲が漂ったことです。
これまでは、10月協議で合意という楽観的な見通しが持ち上がっての株高、円安を中心としたリスクオン相場でしたが、改めてリスクオフ方向へと方向を転じました。これまでの米中間の協議は期待させておいて、ギリギリで物別れという流れが続いてきましたので、最終合意に至るまで何も楽観視できる材料は無いというスタンスが正しいのですが、相場というのは思惑が先行しやすいため、今回も同じことを繰り返している印象です。
南アにとっては最大貿易国中国にとっての悪材料が同国の悪材料にも繋がりますので、10月の本協議に向けて米中間で落としどころを見つけられるのかどうかが、当面の南アにとっての注目材料でもあります。なお、19日の南ア中銀の政策金利発表は予想通りの現状維持で、こちらの影響はほとんどありませんでした。
テクニカルにはトルコリラ円同様にやや変調を来してきました。いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
ランド円、ドルランド、ドル円4時間足
先週高値が前週高値を超えられず、テクニカルには高値圏で見られる反転パターンに近い形状を見せています。これまでの上昇チャンネルを下抜けたことで、先々週高値と先週高値を結んだレジスタンスラインを引き、同ラインが上値を抑えやすい流れになってきたと考えてよさそうです。
下値については8月安値と9月高値の押しを考えることとなりますが、半値押しが7.11、61.8%押しが7.02となっていて、7円の大台は維持しそうです。61.8%押しの水準は3週前に7円の大台を超えてきたそれまでのレジスタンスでもありますので、当面はサポートとして意識されるでしょう。今週はテクニカルに下げ方向への転換を考え、7.05レベルをサポートに7.35レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
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