大規模ストライキや米中を巡る先行き不透明感が南アランドの重石
今週のレビュー(9/23−9/27)
今週の南アフリカランド・円(ZARJPY)相場は、週初7.207円で寄り付いた後、翌9/24に、高値7.260円まで上昇しました。しかし、@金融セクター最大の労働組合Sasbo(South African Society of Bank Officials)による大規模ストライキ計画が報じられると、Aトランプ米大統領を巡る弾劾機運の高まりや、B南ア・8月生産者物価指数の低下(結果+4.5%、予想+4.6%、前回+4.9%)を受けた南ア中銀の追加利下げ観測、C米中協議を巡る先行き不透明感が重石となり、週後半にかけて、約3週間ぶり安値となる7.097円まで下げ幅を広げました。引けにかけて反発するも上値は重く、結局、7.119円近辺での越週となっております。
来週の見通し(9/30−10/4)
南アフリカランド・円相場は、9/13に記録した高値7.459円をトップに反落に転じると、週末にかけて、約3週間ぶり安値となる7.097円まで下落しました。この間、@一目均衡表雲上限及び転換線の下抜けや、A強い買いシグナルを表す「三役好転」の消滅、B強い上昇トレンドを示唆するバンドウォークの終焉、Cトレンドの方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドの下方ブレイク、D一目均衡表基準線及び一目均衡表雲下限割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が強く意識されます。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る減速懸念や、A国営電力会社エスコムの負債問題、B米中対立激化を通じた南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下触れ懸念、C大手格付け機関の中で唯一投資適格級を付与しているムーディーズによる格下げリスク(※定例格付け見直しは11/1に実施予定)など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。9/30に予定されている中国の9月製造業PMIや、南ア・8月貿易収支、10/4の米雇用統計、翌週(10/10ー11)に開催される米中通商協議に関連した各種ヘッドラインに振らされながらも、当方では、南アフリカランド・円相場が心理的節目7.0を試す弱気シナリオを想定いたします(尚、中国は国慶節で10/1ー10/7まで休場)。
来週の予想レンジ ZARJPY 6.950ー7.250
南アランド円日足
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